街角に建つ。 2021.02.13 新井薬師前
2021年2月13日(土)。先週の雑司が谷散策に続き,今回も散歩がてら,近場の街並みを撮ってみている。
▼その1はこちらから。
新井薬師前駅から更に北上すると,「北口商店街」の曲がり角に,突如として強烈な雰囲気の建物が現れる。
「科」のみが残る,この建物だ。
「松井歯科医院」である。嘗ては2階が歯科,1階は「キク薬局」だった。
この2階の窓の水平性は,看板建築らしくない。モダニズム的とも言えよう。
玄関の青い瓦,赤いランプの印象が強い。
今は賑やかな街角でひっそりと,終焉の時を待っているようだった。
古い商店街の風格のようなものを感じる。
キク薬局の北面に回り込む。こちらも「キ」「局」が落ちてしまっている。
緑の競演。
入母屋屋根の2面に「看板」を立てているようだ。
その向かいにも,昭和を色濃く残す建物がある。
シャッターが絶妙だ。
歯科医院と並ぶ家の裏手には,立派な木が道路にせり出している。
枝先のみが夕陽を受け,柔らかい橙色に染まっていた。
黄昏。
アイビーが玄関を無造作に覆う。
物言わぬ,時代の生き証人。
その足下では,新たな命が花開いていた。
さて,南下。ぎふ屋はひっきりなしに客が訪れていた。
踏切から見る新井薬師協同ビル。
もう一度,この一角を見に来た。
先程は駐車車両が居たために,このアングルが撮れなかったのだ。ちょうど空が美しい時間帯,西北西に向いて撮影する。
五中つつじ通りと線路際の通りの間の,鋭角の三角形。ちょうど頂点付近が喫煙スペースのようになっていた。
さて,駅前からさらに南下。住宅街を抜ける。
4連の長屋,それぞれファサードの独自性を打ち出していて面白い。
この類のフィルム?シール?は,幼少期によく見かけた。
下調べで場所を把握していた,未舗装の路地。危うく失念したまま帰るところだったが,ぎりぎりで気付いて訪れた。
2階はまるで京都の路地のような競り出し方。余所者を強烈に拒む空間だった。
生活感を感じ,そそくさと退散。
新井薬師前,なかなか奥深い街だ。
さて,そろそろ暗くなってきたので,帰ろうか。
マゼンタの空。
2階のタイルで個性を表現していた。
日常。
「武藤テーラー」「注文紳士服」。遠い過去の物になろうとしている。
日没。
これにて計2時間強の散策を終え,帰途に就いた。
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