梟の島

梟の島 -叙情的叙景詩-

-叙情的叙景詩-

羽越・磐西撮影旅行(18):薄日の下,キハ40は芹沼隧道を駆け抜ける。

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対峙。 2020.01.13 磐越西線 野沢~上野尻

 

その17より。この旅程における最後の撮影対象である227Dまで,1時間半ほど間隔があくので,安座川橋梁付近の家の軒先でふたたび雪宿り。すると隣家から人の気配がしはじめたので,怪しまれるのも不本意と思い,移動を開始した。芹沼隧道方面まで移動して,雪を避けられる場所を探す。第一津川踏切付近は渓谷が美しかったが,このほかに道中で見る物も無く,雪をしのげる場所も見当たらない。撮影スポットを越えたあたりに自動車整備店が一件あるのみだった。その傍らにある畑の掘っ建て小屋に暫く身を寄せようとそちらにお邪魔しようとすると,何と大きな犬が2匹,吼えながらこちらに向かって来るではないか。鉄道撮影中は基本的に自分が変質者であるという自覚を持つのが当然であり,不本意なトラブルを避けるために当然の行動として犬から逃げる。立派な番犬であった。

225Dの撮影まではただただ修行の待ち時間。隧道の下にあたる場所の,道路沿いの空き地に佇む。雪は雨に変わり,傘だけが手放せない,「無」の時を過ごす。磐越西線の徒歩撮影はやはり酷である。修行してなんぼという,色々な意味で余裕のある時代を終えて久しいので,なかなか心身とも堪える。列車通過まで20分を切ったところで,トンネル飛び出しのベストポジションを探す。幸い,この時点で雨はほぼ止んでくれた。S字カーブのちょうど良い塩梅のところに足場となる設備があり,ここに陣取り,列車を待つこと10分ほど。赤の塗色を先頭に,そして後ろには青色を従えてやってきた。

 

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そして何と,薄日が差してきた。

 

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温厚な表情のキハ40と,目が合った。

 

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一瞬,ヘッドライトしか見えなくなる。

 

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そして数秒後,こちら側にやって来る。

この,動物が接近してくるような感覚というのは,トンネル飛び出しならではの魅力だろう。

 

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列車が横を走り去った後は,振り返って後追いである。

 

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長い長いストレート。その後ろ姿を,ファインダー越しに見送る。

 

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かすかな柔らかい陽光が,雨に濡れた鉄路,バラスト,そして車体をも照らす。

 

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ミスティな雰囲気,不思議な質感の写真になった。

 

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長い時間をかけて直線を駆け抜けていった列車は,やがて遠い右カーブに消えていった。


ここから駅までの移動距離は3kmほど。喜多方へ向かう3222D・快速あがのに乗るには,徒歩では僅かに時間が足りていないので,事前にタクシーを呼んでおいた。津川第一踏切付近で乗り込もうという計画だったので,そちらに向けて歩いていると,道中で野沢側から来た迎車がこちらに気付き,停まってくれた。結果的にここで乗り込んだがために,シートを若干泥で汚してしまったのは心が痛んだが,難なく駅に到着。余裕をもって乗り込んだ快速の車窓には,太陽が顔を覗かせ,青空まで見えている始末である。鉄道撮影とはこういうものだ,と,改めて教わったような4時間だった。10時30分,喜多方に帰着した。

 

その19へ続く。

 

羽越本線の記事はこちらから。

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