梟の島

-追想の為の記録-

磐越西線撮影旅行(1):序章,蒼白の荻野駅へ。

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青白い世界。2020.02.08 磐越西線 荻野駅

 

親友くはね氏夫婦と我々,計4人で遠征に出たら面白そうだという話は,昨年末に彼と2人で飲んだ時に初めて話題に上った。先月お宅にお邪魔して4人で飲んだ際に,より具体的に話が進展し,2月8・9日に,磐越西線只見線のキハ40をターゲットとした撮影旅行に行くという運びになったのだった。くはね夫婦のスケジュール上,我々は金曜夜に若松に入り,彼らとは土曜の夕方に若松で合流するという計画となった。最終的に我々2人は土曜の朝から夕方まで撮影,日曜の朝は4人で撮影,昼は会津若松で観光の時間を取り,14時台の列車で若松から新津までキハ40の乗り納め,という具体的な行程が定まった。

磐越西線只見線のキハ40の余命も,残り1ヶ月少々となってしまった。これが惜別撮影・惜別乗車の機会となる。

 

■2/07(金) 東武練馬→会津若松

仕事を少し早めに切り上げて,事務所を1730に発つ。駅前のイオンでサラダと飲み物を調達。新宿を経由するが,駅中でめぼしい弁当に出会えず,東京駅へ。しかしコンコースの大きな弁当屋はなかなか混雑しており,新幹線ホームの近くの死角にある小さな駅弁屋でようやく1つ調達。その頃ヨメ氏が新宿でもう一つの弁当を調達できたので,これで支度は整った。やまびこ157号,4号車の6人目に並んだ。乗車の15分ほど前に合流。3人掛け席の窓側と中央を確保した。東京駅の時点で,自由席はほぼ満席となっていた。1916東京発,郡山2038着。所要時間は短いので,早速夕食にありついた。

新幹線はあっという間に郡山駅に到着。磐越西線にスムーズに乗り換え,2048発の1239Mに乗る。なんと2両編成という若干ケチ臭い構成で,しばらく立つことになった。我々のすぐ右横で地元の女子高生が車内の床にしゃがみ,男子高校生はその前でフードを被ってうろうろ動きながら立っており,だらだらと会話をしている。久々に見る地方の景色である。喜久田からヨメ氏が,猪苗代から自分も,トイレ横の車両端部の2人掛けの座席に座ることができた。翁島あたりから意識を失い,気付けば会津若松に着いていた。時刻は22時を過ぎていた。

もはや勝手知ったる東横イン会津若松喫煙室の予約だったのだが,直前に禁煙室の空席が出ていたので部屋を変更しておいた。チェックイン前に裏手のセブンへ行き,翌朝の食料と水,宿で食べるためのアイスなどを購入。しかし,鉄道撮影時の朝食のゲン担ぎでお馴染みのカレーパンがなかった。駐車場は凍結対策で,融雪管のホースから水がちょろちょろと出ていた。既に滑りそうである。ようやくチェックイン。酪王牛乳のモナカアイスが美味であった。ヨメ氏がシャワーを浴びている間に,くはね氏と電話。明日明後日の撮影プランの確認を行った。2330頃に就眠。

 

■2/08(土) 銀世界の会津盆地を抜け,荻野駅へ。

翌朝5時に起床しカーテンを開くと,なんと街はしっかりと雪化粧をしていた。東横インには連泊する予定だが,部屋が変わるのでチェックアウトし,荷物をフロントに預ける。カレーパンを求めてセブンへ。なんと夜中か未明に仕入れを済ませていたようで,買えた!ヨメ氏希望の肉まんは,まだ朝が早いため保温器がついておらず購入できなかった。そしてヨメ氏,駐車場で氷に乗って転倒。幸先の悪いスタートである。駅前までも雪と氷で歩きづらかった。始発の221D,先月も喜多方からお世話になったキハ110の5連に乗車した。

さて,この数日間,急行色のローテーションをずっと追い続けていたのだが,昨日に所謂「急急」コンビは解消され,うち1両が会津若松方に入り,この朝の222Dで津川から若松にやって来ることが分かっていた。もともと今日は徳沢~豊実間で3本を撮影する計画だったが,これでは肝心の222Dとすれ違ってしまうので,もっと喜多方に近い場所で待たなければならない。そこで,荻野駅界隈を本日の撮影拠点とすることに決めたのだった。若松から荻野までの30分強で朝食のパンを食す。

荻野駅には0602着。

 

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キハ110は我々をホームに降ろすやいなや,西へと旅立っていった。

少しだけ駅舎に入り,220D到着までの時間を潰す。

 

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駅舎は,駅長の尽力によるものなのか,沢山のイラストや写真に溢れていて,不思議と温かみのある雰囲気だった。

辺りは未だ暗いが,勿論,一面の銀世界。先月よりも日の出がだいぶ早くなったので,空は駅に到着するとすぐに白み始めた。青白い未明の雪景色,閉ざされた街。その切ない文脈と情景に,心がきゅーっとした。

 

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何か緊張したストリングスの音色があれば,涙も出るのでは無かろうか。先月の日本海では「心の不可逆性」を痛感させられてしまったのだが,この緊張した雪景色が,まだ自分の感性が死んでいないことを再確認させてくれた。

さて,間もなく220Dがやって来る。

 

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その2へ続く。

 

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