梟の島

-追想の為の記録-

磐越西線撮影旅行(13):上野尻駅,雪の朝。

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雪の朝。2020.02.09 磐越西線 上野尻駅

 

2020年2月8日は,磐越西線の撮影を満喫。最後は東北色のキハ40を,会津若松駅のホームで撮影した。

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日付は変わって2月9日。今日も今日とて5時前に起床。体調はやはり芳しくない。一人でセブンに行き水を買い足し,チェックアウト時にフロントに荷物を預ける。くはね夫婦とフロントで合流し,5時28分発の始発221D,この1ヶ月で3回もお世話になっているキハ110の5連に乗車した。急行色が駅北側の留置線に待機しているのを失念しており,完全にスルーしてしまった。如何せん体調が悪く,身体を何かに蝕まれている感じがする。朝食のパンを平らげ,車中はひたすら体力温存に徹した。

山都駅を過ぎたあたりからぐっすりと眠っていたようで,列車は気付けば野沢駅に到着しようとしていた。窓の外は一面の銀世界。野沢では入れ違いで始発220Dが発車するので,これをホームから撮影する。何と同業者が数名いて驚いた。恐らく今日は,急急コンビと雪のショットを狙って,各地からヲタが集結しているのだろう。

3番線に鎮座する東北色のキハ40,その窓から漏れる車内灯の光が,積雪をほんのり黄色く照らしていた。先月とは全く異なる雰囲気だった。

 

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撮影するやいなや,列車は未明の旅路へと発っていった。

 

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再びキハ110の5連に乗車する。凍て付く朝,これが雪国の日常である。


会津若松から上野尻まではちょうど1時間。どうにも距離の感覚が狂っており,そこまで遠くないように感じてしまうのだが,若松から上野尻営業キロにして47kmもあり,喜多方からでも30kmあるのだ。上野尻の駅舎はJAの建物に付随しており,ホームは鉄骨フレームの上に片流れの屋根が乗った簡素な造りだった。

0644発の222Dがキハ40,新新潟色の2連で来るので,これをホーム撮りする。事前の計画では,積雪はあるが降雪は無い,という想定だったのだが,到着してみると実際はがっつり降っており,時に50m先の視界が失われる程の吹雪だった。

 

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薄明の無人駅に,列車が入線。

 

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直前に来た女性客が1人,傘を畳んで列車に乗ってゆく。

 

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幾度となく繰り返された日常も,いよいよ記憶の世界へ消えようとしている。

 

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積雪と降雪に音が吸い込まれているせいか,古参気動車は近くに居るのにとても静かで,不思議と気配が無かった。

 

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車掌が扉を閉め,鋼鉄車は再び東へと走り出す。

 

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音も無く,気配も無く,静かに静かに,雪に隠れていった。

 

その14へ続く。

 

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