梟の島

梟の島 -叙情的叙景詩-

-叙情的叙景詩-

磐越西線撮影旅行(16):朦朧として,栄螺堂。

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(二重螺旋。2020.02.09 栄螺堂)

 

会津若松駅に到着。ふらふらになりながら,11時に開店したばかりのマルモ食堂に入店し,カツ丼で体力快復に努める。創業120年というこの駅前食堂は,なかなかに年季が入っており,くたびれた雰囲気も自分好みである。何やら嵐の櫻井君が主演するドラマの撮影で使われたことがあるのだとか。この日も取材の女性が1人,店内風景の撮影をしていた。カツ丼はとてもボリューミーで美味だったが,体調が良くなかったこともあり,米を少々残してしまった。

再び駅前に戻り,タクシーで栄螺堂へ向かった。普段なら歩く距離なのだが,この時の自分にはもはや立つ気力体力すら殆ど無かった。車窓から見える駐車場に除雪車が数台停めてあったが,タクシーの運転手曰く,去年も今年も,あの除雪車は出動していないのだという。暖冬は色々なところに歪みを生んでいるようだ。車は栄螺堂の裏参道を通り,登坂をあまりせずにアプローチできる側につけてもらった。

いざ着いてみると,栄螺堂は思ったよりも一回り小振りな印象だ。

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メインの六角形の躯体に,大きな唐破風が取り付いている。

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逓減がある程度きいている。

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外観を撮影してから,拝観料を払い,内部へ入る。

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堂内は時計回りの二重螺旋構造となっている。四天柱ならぬ「六天柱」とでも呼んでおこうか,このうち2本は上下階の間で切れており,内側の六角形の内部が螺旋のスロープから見えるようになっている。

APS-Cの12mmのレンズではややアングルを開ききれず,くはね氏の10mmが羨ましい。

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外側の六角形の柱と「六天柱」の間に大引が掛かっており,これらを跨ぐ根太が1本,そしてその上に床板が流されている。色々な接合部は,思ったよりも甘い作りになっており,専門的な視点から見るとやや心許ない。昭和修理なのだろうか,ボルトを用いて離間を留めている箇所もあった。何というか,ふわっと建っている,そんな感じである。

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何回転したのだったか,気付けば最上部へ。千社札がべたべたと貼られた天井はまるでイスラムのモスクのようだ。太陽が陰り,不思議と青白い,色温度の低い色調となった。

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三脚を立てて4人で記念撮影をしてから,下り回転,今度は反時計回りになる。

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その最中,屈んだ方が圧倒的に絵になる事に気付いた。鉄道を含め,あらゆる「もの」の撮影の鉄則だと思うのだが,異形の建築物の内部でもその基本則は通用するようだ。再び薄日が差し,空間は暖色に転ぶ。60度進むごとに座り込んで撮影していた。

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終盤は続く反復の撮影にやや飽きてきたので,規模としてはちょうど良かっただろう。内部を見終わった後は,近くの土産物屋で,展示されていた栄螺堂の模型を眺めつつ,ぎりぎりの体力を温存した。

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有料のエスカレーターは上り専用だったので,残雪で滑りやすい階段を慎重に下る。すぐ近くのバス停で,ちょうどやって来たコミュニティバスに乗車し,会津若松駅へと戻った。

そして駅に着いたところで,とうとう体力が限界を迎えた。駅の待合室で完全に動けなくなった。3人に土産物や,キハ40の惜別乗車の車中で飲む酒の調達,東横インに預けた荷物のピックアップを全て委ね,待合室のベンチに座り込み,30分ほど眠った。

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