(冬の庭園。 2019.12.25 恵林寺)
2019年12月25日,山梨県・塩山。期せずしてやってきた恵林寺(えりんじ)の再訪の機会は,不思議なことにまたもやクリスマスの当日,ちょうど14年ぶりであった。
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恵林寺は武田信玄の菩提寺で有名であるが,残念なことに明治末の火災で伽藍の建造物の多くが焼失してしまっており,現在の建物はこの時期に再建されたものが多い。
上記ブログ「その1」では国指定重要文化財の四脚門,県指定文化財の三門,開山堂の記録を紹介。この記事ではその続きとして,庫裏・方丈と庭園の写真を主に掲載してゆく。
明治末期の再建というが,構法は完全に伝統,近代の要素は見て取れない。
とはいえ,やや曲がった,小径の材が多い印象でもある。
冬の冷たい廊下を歩く。
日向は暖かで,それでいて静かだった。
方丈の内部は立ち入り禁止であったが,垣間見える内部はなかなかの大空間であった。垂壁も高く,天井高はかなりのものだ。部材も大断面のものが用いられている。
冬晴れの朝,今日は世間的にはクリスマスらしいが,あまり自分には関係がない。
この後,「うぐいす廊下」を渡って「明王殿」で有名な武田不動を拝む。残念ながら廊下も含めて撮影禁止であった。
庫裏の入口への帰路,方丈庭園では静謐な水鏡の撮影を楽しんだ。
参拝客は殆ど来なかった。12月にしては暖かい,柔らかで澄んだ日差しの中,長い参道を歩いて駐車場の片隅に停めた自転車のもとへ戻ろう。
振り返れば朱色眩しい四脚門。去らば,またいつの日か。
その3へ続く。