梟の島

-追想の為の記録-

盛夏の五能線撮影(14):広戸~深浦,岩山の頂から命懸けの俯瞰。

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命懸けの撮影。 18.08.08 五能線 広戸~深浦
 

2018年8月8日(火)。五能線撮影2日目。能代から北上しつつ,各地の撮影地を巡り,急遽旅程を入れ替えて追良瀬驫木の俯瞰撮影地で「死闘」を繰り広げ,小休憩をはさみ,「神社俯瞰」で2826D・2533Dを撮影。 

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続いて,昼食。「マグステ丼」が深浦の名物らしいので,周辺でこれを扱う店を探してみると,町役場の食堂と,もう一つ「セイリング」なる小さな店が候補と分かった。セイリングについてはヨメ氏が先程の移動の際に車窓から見つけていたようである。まず町役場を見てみると,思った以上に寂れていて,さらにマグステ定食以外のメニューがない様子。ということで,車は役場(区分が分かり辛く,誤って職員用のエリアに「わ」ナンバーを停めてしまったが)に置いたまま,セイリングへと向かった。

セイリングに着くと,JRの職員2人がちょうど退店するところであった。なるほど,この立地なら御用達ともなるであろう。ちょうど店の裏側を線路が通っており,リゾートしらかみが通過してゆく。メニューは日替わりのイナダを揚げた定食と,マグロの御膳を注文。店員のおばさんもとても感じが良い人で,我々が旅の出発前に調達した日除けのアームカバーに強く反応してくれた。

 

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マグロは,メインはもちろん,皮の部分,胃袋の部分などの小鉢まで,どれも丁寧で美味であったし,イナダの揚げたものも650円とは到底思えないくらいの質と量で,最高。とてもとても良い出会いだった。しっかり休憩と腹ごしらえを済ませ,充足感とともに店を後にした。

 

さて,14時台の撮影の計画を考える。当初計画3日目はここで追良瀬驫木の南・北の俯瞰2箇所を回る計画だったのだが,午前中に「北」で痛い目に遭っているので,これは選択したくない。当初2日目はここでは神社俯瞰と行合崎の岩場サイド構図を計画していたのだが,神社俯瞰は既に終えたため,ここでは当初2日目の12時台に計画していた,行合崎手前の岩場での小俯瞰を試みることに決定した。

ここの撮影地は発見まで難航することが予想されたため,少々早めにニコットの駐車場に車を置き,アプローチ。岩場の手前までは整備された海岸が広がっており,一応は車でもアクセスできたらしい。2台ほどワンボックスカーと家族連れが海水浴を楽しんでいた。日傘をさした男女2人が三脚を持って浜を越えて藪に消えてゆく様は,傍から見たら完全に不審者であるw 藪にはわかりやすい獣道があり,ここは観光客が時折往来しているようだ。これを越えると,どうやらこれに登ればよいのだなという岩を発見。来た側の斜面は登るのは困難だったが,裏側に回ると幾分足を掛けられる小さな段が多く,ここからの登頂を決意。初めは三脚を持参することを試みたが,途中で三脚の持参も,そしてヨメ氏の登頂も無理であると気付く。自分の足が脆い岩肌を削り,握り拳程度の石を幾つか蹴り落としてしまう。落石も危険ならば,自分の滑落の危険すらある。ほぼ壁をよじ登るような格好であり,四肢,むしろ腕をフルに使ってどうにかこうにかよじ登る。岩のてっぺんには十分なスペースもなく,そのうえハイマツが生えており,あちこちに葉が刺さって痛い。どうにかこの状況でカバンからカメラを引っ張り出し,半ば命懸けで2828Dを撮影した。

 

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身を削るのは怖いのだが,その分,得られる絵が美しいのだ…。

この間,ヨメ氏は岩の下の日陰で休憩しつつ,列車を眺めていたようだった。

高さ20mほどの岩登りだったのだろうか。下りもとても怖かったが,幾分慣れたらしく,新たな落石を生じさせることなく,三脚も回収し,命からがら,無事に地面に帰着した。極度の緊張から解放され,安堵のひと時であった。2013年末の笹川流れの崖登りに比肩する,危険な撮影であった。ここもまた,探訪は一切お勧めしない。もう二度とやりたくない…アドレナリンの為せる業であった。

 

その15へ続く。

 

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