2020年10月31日(土)。朝5時すぎに五所川原のホテルをチェックアウトし,一番列車520Dを陸奥柳田~北金ヶ沢の陸橋で撮影。続いて2823Dを陸奥赤石~鰺ケ沢で迎えた。
2823Dはこの後,鰺ケ沢で822Dの到着を待つために,10分以上停車する。この時間を利用し,鳴沢駅へと先回りして再び迎え撃つことにした。これは,朝一番の821D→520Dの「梯子」が外れた代わりに掛かることになった,新たな「梯子」と言って良いだろう。駅に着くと,生まれたての朝日が優しく色温度を高めてくれていた。昨夕の撮影の経験を活かし,ホームの越水側で列車を待っていると,真正面からの低い陽光を受けながら,温厚な表情のキハ40がやって来た。
学生が,ホームで列車を待っていた。
入線を迎える。
生まれたての朝陽を浴びながら,減速。
乗降客と車掌が織り成す日常。
停止位置に止まると,ワンマン列車用のミラーの影がばっちりと車両の顔に掛かってしまった。
コンビネーション。
閉扉を確認。1分ほどの停車時間を終え,40歳の気動車は再び朝陽に向かって加速を始めた。
すぐ傍らを力行する気動車。後ろを振り返ると,低い朝陽が鈍く反映し,鋼鉄車の側面を鮮やかに染め上げた。
複雑な線形をゆく列車を後追いで撮影するというのは,構図内の要素を,手前の車両が邪魔して見えない形になるので,なかなか難しいのだが,冷静に丁寧に撮影する。
鉄道にはドラマがある。
駅には,それが集約されている。尾灯は最高の演出となる。
秋の朝の叙景詩。
最初で最後の,感動的なワンシーン。
金色に光るススキの間を左右にゆっくりと揺れながら,列車は朝陽に向かって走り去っていった。
鉄道のドラマを集約したようなワンシーンに立ち会うことが出来て,感無量である。
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