梟の島

-追想の為の記録-

五能線キハ40,最後の秋(14):鳴沢駅,朝陽がくれた叙景詩。

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叙景詩。 20.10.31 五能線 鳴沢駅

 


2020年10月31日(土)。朝5時すぎに五所川原のホテルをチェックアウトし,一番列車520Dを陸奥柳田北金ヶ沢の陸橋で撮影。続いて2823Dを陸奥赤石~鰺ケ沢で迎えた。

 

2823Dはこの後,鰺ケ沢で822Dの到着を待つために,10分以上停車する。この時間を利用し,鳴沢駅へと先回りして再び迎え撃つことにした。これは,朝一番の821D→520Dの「梯子」が外れた代わりに掛かることになった,新たな「梯子」と言って良いだろう。駅に着くと,生まれたての朝日が優しく色温度を高めてくれていた。昨夕の撮影の経験を活かし,ホームの越水側で列車を待っていると,真正面からの低い陽光を受けながら,温厚な表情のキハ40がやって来た。

 

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学生が,ホームで列車を待っていた。

 

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入線を迎える。

 

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生まれたての朝陽を浴びながら,減速。

 

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乗降客と車掌が織り成す日常。

 

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停止位置に止まると,ワンマン列車用のミラーの影がばっちりと車両の顔に掛かってしまった。

 

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コンビネーション。

 

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閉扉を確認。1分ほどの停車時間を終え,40歳の気動車は再び朝陽に向かって加速を始めた。

 

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すぐ傍らを力行する気動車。後ろを振り返ると,低い朝陽が鈍く反映し,鋼鉄車の側面を鮮やかに染め上げた。

複雑な線形をゆく列車を後追いで撮影するというのは,構図内の要素を,手前の車両が邪魔して見えない形になるので,なかなか難しいのだが,冷静に丁寧に撮影する。

 

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鉄道にはドラマがある。

駅には,それが集約されている。尾灯は最高の演出となる。

 

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秋の朝の叙景詩。

 

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最初で最後の,感動的なワンシーン。

 

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金色に光るススキの間を左右にゆっくりと揺れながら,列車は朝陽に向かって走り去っていった。

鉄道のドラマを集約したようなワンシーンに立ち会うことが出来て,感無量である。

 

その15(鳴沢~越水,ミスティな秋の朝)へ続く。

 

 

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