梟の島

梟の島 -叙情的叙景詩-

-叙情的叙景詩-

五能線キハ40,最後の秋(24):大間越,海原と巨岩とキハ40と。

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屈指の絶景区間。 20.10.31 五能線 大間越~岩館

 


2020年10月31日(土),秋の五能線を追い求める撮影行の2日目。早朝から陸奥柳田~越水の「山線」区間で数々の列車を撮影。午後は岩館方に舞台を移し,小入川橋梁を様々なアングルで撮影。

▼一番列車はこちらから。

 

東八森で224Dを見送った後は,次の326Dまで少し間が空くので,この先の旅程のための下見を行う。まずは東八森駅の南側の陸橋へ。緩やかに右にカーブしながら南下してくる上り列車を仕留められるアングルだ。また逆を見れば,森を背にして築堤をゆく列車も,線路に対して左右両側から仕留められる。特段の障害物は無いので,326Dか翌朝の列車で訪れることに決めた。

土曜日なので誰もいない八峰町役場の駐車場で,車をUターンさせ,陸橋を再び渡る。101号に戻る途中で,自転車でゆっくりと坂を登る二人とすれ違った。年の頃からして,祖母と孫だろう。まだ14時台だが,夕陽に近い色調の斜陽を浴び,秋の枯れた景色を背に,その二人がとても美しく映えた。先程の象岩海岸での昼食の記事でも記したが,具体的な絵ではない,こういった体験が抽象化されて,安寧の記憶となるのだろう。少年よ,この平和な時間を忘れるなかれ。祖母と自転車を漕いだ記憶が実際にある訳ではないのだが,それを抽象化した際の空気感にどこか通ずるものがあったようで,咄嗟に自分の原体験・原風景のようなものを投影してしまった。自分までタイムスリップしたような感覚で,運転しながら胸が熱くなった。

続いてもう一箇所,下見に来たのは,鳥形駅の南側の陸橋である。ストリートビューでも確認してはいたのだが,実際に現地に来てみると想像以上に障害物が多く,撮影地としては及第点程度だった。積極的に選択するような場所では無いと判断し,これにて下見は終了である。

さて,次に深浦からやって来る326Dを,再び北上して迎えよう。どこまで行こうか悩んだが,あまり北に行っても却って撮影地が無くなるので,大間越付近で選ぶ。当初は中ノ澗崎を予定していたのだが,直前で吸い寄せられるように,ドライブイン福寿草の有名アングルに車を停めた。2年前の夏は,白いトップライトの下,これぞ盛夏の五能線!というような絵を撮ることが出来たのだが,今回はそのバージョン違いとでも言おうか,これぞ清秋の五能線!という絵に期待しての撮影だった。山肌の緑の色も違えば,太陽光の角度も全く違うので,とにかくすべての色が夏とは異なっている。これだけ豹変できるというのは,舞台自体のポテンシャルが極めて高く,素晴らしいものであるということだろう。

同業たちが既にベストポジションに陣取っていたので,自分は彼らよりも右側,101号に近い側に立ち,望遠レンズと標準レンズをそれぞれ付けた2台を準備して待つ。太陽は,ここでも味方してくれた。

 

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豆粒ほどの列車が,ゆっくりと海岸の橋梁に姿を現す。

 

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海は広く,岩は巨大,そんな雄大な自然の中に鉄道車両はちっぽけな点景で,人間の姿などはどこにも見えない。
 

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一度視界から消え,再び山肌の中腹付近に白い側面を見せる。穏やかな海原と,巨岩と,枯れた斜面に,相変わらず豆粒ほどの鉄道車両。このスケールこそが五能線の魅力である。

 

その25(東八森,オレンジ色の夕べ)へ続く。

 

 

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