梟の島

梟の島 -叙情的叙景詩-

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五能線キハ40,最後の秋(5):鳴沢~鰺ケ沢,暖色の陽光と日本海。

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荒海の傍らをゆく。 20.10.30 五能線 鳴沢~鰺ケ沢
 

2020年10月30日(金)。10時からの現場調査の前に,五能線の「朝練」を遂行。一番列車・822Dに弘前から乗車。鶴泊~板柳で,朝の4連821Dと快速3524D,2823Dを撮影してきた。

 ▼その1はこちらから。

 

 ホテルに戻って荷物をピックアップし,チェックアウト。現場調査終了後すぐにスタートを切れるよう,このタイミングでレンタカーを調達する。後日判明したことであるが,とにかくこの週末,五能線にヲタが集結したようだ。そのため,まさか無くなることはないだろうと高をくくっていたレンタカーが,えきねっと駅レンタカープランで確保できなかった。28日の午前中に大慌てで検索し,30日はトヨタレンタカーで12時間契約,30日夜から1日夜までは駅レンタカーのレール&レンタカープランでの契約を成立させたのだった。すなわち今夜,一度わざわざ弘前に戻ってきて車を乗り換えるという計画である。

出発手続きを済ませると,弘前市街で遊ぶ時間は殆ど無かった。それでも折角なので,青森銀行記念館の外観だけ見に行く。

 

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旧第五十九銀行本店本館(1904)。堀江佐吉設計,国指定重要文化財

 

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ルネサンス風の意匠,このマッシブさが魅力的だ。

 

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側面側。

 

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1階の窓の上のペディメントが,ファサードに華やかさを与える。

 

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やはり線は大いに越したことがないな,と改めて思う。現代の「物」は鉄道にせよ建築物にせよ,どれもこれものっぺりしすぎている。

 

駆け足で青森銀行記念館を撮影した後は,現場調査へ。12時半頃,予定より30分ほど早く調査は終了。まさか巻くとは思っていなかったので,この場合のことを想定していなかった。いずれにしても,驫木付近まで車で追い掛けて撮影しようとしていた2828Dは,まだ弘前を発ったばかりなので,どこででも撮影できる訳だ。少し考えてから,まずは鳴沢~鰺ケ沢の,海を背景に据えたストレートの撮影地へと向かうことにした。

青森県内には広域農道が多い。岩木山の西側は,何本もの道が絡み合うように走っており,ガイド無しでは道を誤りかねないほど複雑である。ナビを頼りながら最短ルートで,弘前から鰺ヶ沢への道を選択。道中,時折短く強い雨に見舞われたりもした。気付けば7月の浜松,8月の大分,9月の下関そして今回と,4ヶ月連続で運転している。30分ほどドライブすると,鰺ヶ沢の街並みが近付いてきた。カーブを曲がると,下り坂の向こうに大きな大きな青い海が広がり,高い白波が海岸線に向かって次々と押し寄せていた。日本海を見るのは1月以来である。夏と冬はもちろん,春の表情も知っているのだが,秋の日本海というのは実は一度も見たことが無かった。一体どんな表情で迎えてくれるのか楽しみにしていたのだが,ちょうど分かりやすく,夏と冬を内分したような印象だった。

その後程なくして,鳴沢~鰺ケ沢の撮影地に到着。近くの空き地に車を停め,撮影アングルを確認する。時間に余裕があったので,朝のうちに調達しておいたコンビニパンを車中で食した。すると突然,停めた車が微かに揺れるほどの暴風が吹き始めた。天気が急変したようだ。もともとこの日は,日中は曇り,夜に雨が降る予報だったのだが,どうやら天候の不安定な一日ということらしい。列車通過10分前に車を出て,撮影準備を開始する。本格的な鉄道撮影は2月以来,8ヶ月ぶりである。今回は三脚にサブカメラを付けて,ムービーを撮影しよう。

いよいよ通過予定時刻の5分前。突然,雲間から太陽が顔を覗かせ,景色の色が劇的に鮮やかになった。強風が雲を吹き散らしてくれたらしい。一度はすぐに曇ってしまったが,願い続けると列車通過直前に再び日差しが回復した。そんな最高のタイミングで,列車がやって来た。

 

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荒海を背に,晩秋をゆく。

 

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暖色の光線が,辺りを艶っぽく染め上げてくれた。

直前で曇るパターンの不運には過去何度も見舞われたが,逆の幸運のパターンはなかなか珍しい。予想外の太陽の恩恵を受け,上々の立ち上がりである。

 

その6(驫木~追良瀬,晩秋の絶景区間)へ続く。

 

 

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