下見板。 2022.01.10 常陸太田
1月10日(月祝)。年始一発目の水戸出張の前日,午前中に出発して,常陸太田へ向かった。12月の勝田出張の際に漠然と探訪をイメージしていたが,時間と天気に恵まれず見送った。そのプランを満を持して実行に移した。
11時すぎの水郡線で水戸を発つ。
上菅谷で支線に乗り換え,常陸太田駅に到着したのは12時少し前だった。
さて,常陸太田といえば鯨ヶ丘の街並みが有名だが,そこを見るだけでは自分がわざわざ訪れる意味が無い。もっと緻密で広範囲にわたった散策をしようという心掛けで,まずは駅前を南方向に歩いてみた。
この道は棚倉街道。
さまざまな錆。
もう少し南まで歩いたが,あまり面白いものは見当たらず,来た道をそのまま戻った。
中華料理店「好華」。この後,この辺りをぐるっと回ったタイミングで入ろうと思ったのだが,店の前にはバイクが停まっており,さらに車で来た2人組が新たに入店していった。ちょうどお昼時だし,隣の食堂もやっていないし,先客が多そうな雰囲気だったので,さらに界隈を散策してから,時間を外して尋ねようと思った。しかしこれが大誤算,改めて到着すると暖簾がは建具の中に片付けられていた。昼の営業は13時までだったらしい(時計を見ると13時5分だった)。この小さな誤算が,のちのち大きな影響することになろうとは。
中華料理店の少し東を南に入り,水路際の路地を歩いてみた。
どこにでもありそうなただの住宅街に見えるが,この建物の手前には,かつて日立電鉄線が走っていた。先程まで歩いてきた道は,一昔までは「線路際」だった訳である。
この後も界隈をうろうろと歩いたが,特に面白いものは無さそうだ。ヤツデとナンテンの茂る一角が僕を惹きつけた。
直感は当たるものだ。
やはり丁寧に歩いてみるものだなと,散策序盤にして妙に満足感を得られた。
国道293号線を少し東に歩いたが,ここも特に面白い出会いは無かった。農業機械類を扱うガラス張りの店を覗いた。滅茶苦茶に散乱しているようで,何か一定のルールに従っているようだった。人の気配を感じた。
駅すぐ近くの飲食店。この日はまるで営業している気配がない。祝日,しかも成人の日なのだが,街からはその感じが全くしなかった。
茨城県信用組合常陸太田支店。かつて日立電鉄線の駅があった辺りなので,建物は古くはない。調べてみると平成23年竣工のRC建築だという。よくこんな意匠的な工夫をする余力があったものだ。
常陸太田駅前の交差点は,大通りと大通りが交差するだが,ぼうっと待っているといつまでたっても赤信号のまま。歩行者は日中でも押ボタンを押さなければならない。完全なる車社会,という事であろう。
そんな交差点を少し北に歩くと,斜め左に浅い角度で切れ込んでゆく細道があった。
急に何だろうか,街の空気が変わったように感じた。
左を見れば293号線沿いの建物。
車と不釣合いな建物が見えてきた。
平屋のアパートのようだった。
駅のすぐ近くにこのような物件が残っているとは驚いた。
細道を進む。
突如としてスナックが現れた。
脇道をゆくと,荒地が広がり,その向こうには293号線沿いのビルの背面が見えた。
ここは窪地のような,高台の裾野のような,微妙な場所だった。
往時の姿をイメージできない一角だった。
その2へ続く。
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