長大なファサード。 2020.08.22 到津市場
8月21日。大分・中津での出張調査を終え,夜は苅田町の工場夜景を撮影。小倉駅新幹線口の東横インにチェックインした。
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翌22日朝。この日は7時すぎに出発して,時間の許す限り北九州市の木造アーケードを巡る計画だ。8月にしては涼しい朝。車を走らせ,まずは到津市場へと向かった。
小倉から20分ほど運転しただろうか。予定していた通り,小倉北区下到津,コインパーキングに駐車する。そのちょうど向かいに,被写体は確かに存在していた。
到津市場。「いとうづいちば」と読む。
やはり街角に隅切り部は必要だな,などと感じたり。時折,自転車や車が通過してゆく。
ずらりと並ぶ長屋建築。
これは壮観だ…想像を上回る規模に,早朝から心が躍る。
壁を共有しているが,構造としては一軒ごとにばらばらで,軒高すら合っていない。想像以上に傷みが進んでおり,中には2階が崩落しているものも見受けられた。
夏の浅い朝陽が,ファサードを美しく染め上げる。
高層建築が背景に来ると,長屋はまるで地面にへばりついているかのようだ。
長い平面形状の市場の中央付近に位置する出入口が,虚ろな顔で私を吸い込もうとしている。その誘惑には負けず,さらに北東側へと進む。
角張ったフォントと,丸文字。そしてこの光線状態が良い。早起きというほどの早起きではないが,やはり三文の徳がある。
ここがコインパーキングとは反対側の,末端の出入口になる。
とにかく壮観である…。
さらに圧縮効果を使ってゆく。望遠構図がサマになる被写体,素晴らしい。
北東側の出入口から中へ切り込んでゆこう。近くの到津八幡宮の御守が静かにお出迎え。
入口から入ると,道はすぐにクランクし,左に曲がる。
角を曲がると,細長い市場の空間が姿を現す。8月の朝とは思えないくらいの冷気を感じる。とても涼しい…。
「燃料」「製めん」の文字列から,時代を感じる。「氷」の髭文字自体は今なお現役なので,不思議な感覚だ。
大きな装テンがお出迎え。
数年前に訪れた旦過市場よりも,更に時代が遡ったような感じがする。屋根の野地板と母屋の材は近年交換されたもののようだ。
木造の架構の中に,何故かここだけ煉瓦積の柱?壁?が混在していた。この細さ,用途は一体何だったのだろう…。
早速,来た道を振り返る。人の気配は殆ど感じられない。
嘗ては万国旗が横断していたのだろう。
ここまでで「1ブロック」である。先は未だ長い。
その2へ続く。
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