青い黄昏。 2022.09.23 川崎町
9月23日(土)。化女沼の公式見学会の前日は,宮城県川崎町へ。
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anachro-fukurou.hatenablog.com
中心街を抜けて北東へ歩き,国道「川崎バイパス」に合流。
かなりごてごてした外観のアイスクリーム店にやって来た。名前は…敢えてここには書かないでおこう笑 しかし我々は事前の下調べの際に,この名前に猛烈に惹かれてしまっていた。
店内。
アイスの選択肢は非常に多く,かなり迷った。店主は非常にはきはきとした方だった。ミッキーが大好きだという。なるほど好きだからなのかと頷く。アイスはとても美味で,良い栄養補給になった。
すぐ隣にも「ライバル店」がある。
こちらも前世代的な雰囲気を漂わせていた。
この後,トイレ休憩の後,再出発。一路,釜房湖を目指す。日没後,釜房ダムの管理事務所の前にバスを呼ぶために,予めバス会社に電話をして復路の便の予約を済ませた。これにより行程にかなり余裕ができた。
歩道の無い場所もあり,路側帯かその脇の土の上を歩く。
釜房湖畔。水面は静謐としている。青空が見れる日はきっと綺麗だろう。
バス停の近くに,人里は全く無い。
何かのパロディのようにすら見えてしまうキャラクター。後に名前があったことが判明する(マスコットビーバーのカマぼう&カマくん)。
またどうぞ/歓迎。
橋の上から,鈍色の鏡面を見る。
釜房ダムは1970年に完成した。この湖底には嘗て1,000名以上が暮らす街があった。たったの半世紀前,筆者の生まれるたったの20年前の話である。
往時を知る人の目に,この景色はどのように映るのだろうか。
ダムが見えてきた。
60-250の登板。久々に出すと重い。
地形と人工物,不思議な景観だ。
釜房大橋。
綺麗なトラス橋である。
ぽつんと立つ,湖畔の番人。
釜房ダム。
ぷかぷか。
取水塔が格好良い。
ダムから振り返り,先程まで歩いていた国道が実は湖底から伸びる橋脚に支持されていたことを知る。
雲は厚く,陽光は届かない。
轟音を立てて流れる。
水位の差は想像していたよりも大きく感じる。
ダムの東側へ少し歩いてみる。
岩肌かから生える。
霧がかってきた。
劇場の前に並べられているのは不法投棄だろうか。
ミスティな空気の中を歩く。
ぐるりと回り,ダムに帰ってきた。
夕霧低し。
気付けばもう,ブルーモーメントだった。
遠い日の記憶。あれは高山本線の沿線だろうか,或いは大糸線か。蒼白い黄昏の水辺の景色が,記憶の一巡目の深いところに存在している。いま知覚している情景が,その記憶の深い部分と強く共振している。予想外の心の動きに驚きつつ,気付けば深々と没入し,何だか泣きたいような気持になっていた。
バスの時間まで余裕はあるし,そもそもこの場所に来るにあたって打算は無かったし,言ってみれば「ぼうっとしていればよい時間」であった。このように焦燥,計算から上手く解放された状態を作ることが出来れば,心はかなり一巡目に似た状態で世界と相対することが出来るのかもしれない。
湿度の高い,曇天の一日だったからこその景色である。そもそも天気が悪くなければこの街には来なかったのだから,何か縁のようなものを感じた。
釜房大橋の上の街灯が,湖面に細く反映している。
モノクロに暮れてゆく。
バスは2~3分遅れでやって来た。辺りはかなり暗く,心細くなりつつあった。ヘッドライトが闇を眩く切り裂いた時の安堵感たるや。こういうのも非日常の醍醐味というか,心を揺さぶるには充分に効果があった。
仙台駅には19時頃に到着。
夜は地元の相互フォロワーさんと合流して3人会。わざわざ車で宿の近くの店まで連れて行っていただいた。宿の方の言葉に甘え,そこそこ深い時間まで,魚の匂いの充満した店内で歓談した。やはり予めSNSで書き言葉を見ていると,知己のような感覚で初対面を迎えるので,今回もそれが面白かった。
多賀城の宿は非常に快適で,1ユニットに2部屋+洗面+独立風呂があり,これならわざわざ2部屋確保しなくても良いくらいだった。シャワーを浴びてから部屋飲み。翌日もあるので程々に,といいつつハイボールとカップ酒を開けたっけ。一日を通して,何だかもう「オフ会」という言葉はとっくに似つかわしくないものになっていたが,フクロウとして知り合った方と宿泊を共にする非日常を設けることが出来るとは,改めて振り返ると凄いことであるとしみじみ思う。3年前に発信活動を始めた自分を心の底から褒めてやりたい。
化女沼レジャーランド公式見学会に続く。
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