暖色に染まる,昭和レトロ商店街。 2018.02 丸美ストアー
2018年2月某日。前年秋の博論提出を延期し,傷心気味の日々。1月上旬には思い切ってしなの鉄道撮影を主要素に据えて長野まで赴き,多少なりとも気分を持ち直した。この日は,何の変哲もない日曜日。荻窪からバスに揺られ,幼い頃に住んでいた高井戸の街の景色を車窓に眺めつつ,芦花公園駅北口で下車。バス停から歩いてすぐに着く,丸美ストアーへと向かった。
想像よりも簡単に見つかった。
木造ではないが,鉄骨のアーケードが掛かる。空間は思ったより広かった。
途中で緩やかに右カーブしている。
向かって左側の2階建ての建物は,共通の設計のようである。仄暗い,美しい絵だ。
真冬の太陽は,まだ昼前だというのに,黄色く暖かい色を齎してくれる。それにしてもこの屈曲部,絶妙に美しい角度だと思う。
サッシは木なのだろうか?スチールではない,太めのプロポーションである。年代は良く分からないが,60年代末か70年代初頭か…といった所なのだろうか。
屈曲部の奥まで来て,振り返る。明かり取りの天窓から,橙色の光が落ちている。
昭和93年,冬。
シャッター街ではあるのだが,床屋,肉屋,定食屋など,現役の店舗も点在しており,人通りは思ったより多い。
翳の世界。
ロカ(芦花)スタンプは,現役なのだろうか。流石にもう無いか。
背面側の端には料理屋の姿。
暖色の空間を,冬の風が吹き抜けてゆく。
その2へ続く。
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