闇と静寂。
某年某県某所。「緑の廃校」と呼ぶことにしよう。
▼その1はこちらから。
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理科室と放送室の次は,職員室へと向かう。
ここも天井の傷みが激しい。机が邪魔をして中に入れないかと思ったが,何とか動いた。
崩落した天井が,コの字に残る机の上に散乱している。
雪国ならでは。冬場はひどく冷え込んだに違いない。
ダスティブルーがラスティになるときの色彩は,いつ見ても堪らない。
この机の並びは,往時を偲ばせるものに違いない。
部屋の片隅には一枚の絵画。東郷青児か。
廊下へ出る。湿った土と木の匂いが鼻を刺す。
己の足音のみが,木造校舎に重く響く。
今まで見てきた廃校の中でも背の高い空間に思えるが,天井が抜けている所為かもしれない。
誰も弾いてはくれない,小さな鍵盤楽器。
音楽室。止まった時間,流れ続ける静寂。
21世紀までレコードを使っていたのだろうか。
天井が悪くなっていない音楽室の一角が,廃校としての年月の浅さを教えてくれた。
一転,隣の保健室は,この状態であった…。
嘗ての寝台は,元来の色を失い,モス・グリーンに屈していた。
今では随分と難易度が上がってしまったようである。
緑の絨毯が敷かれたような廊下。
階段を上ると,制作物が残る。
廃校は必ず,階段室が堅牢で美しい。制作「夕鶴」は昭和61年の卒業生によるものだった。
さて,2階へと上ろう。
その3へ続く。
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