梟の島

-追想の為の記録-

門司港散策(2):グリッドに逆らう栄小路の姿。

f:id:anachro-fukurou:20210116111850j:plain

路地裏に緑。 2020.09.15 栄小路

 


2020年9月15日(火)は,長崎出張前日の移動日。新下関で新幹線を途中下車し,新地西町・下関新地跡を堪能。続いて,関門トンネルで海峡を越え,門司港の馬場遊郭跡を散策している。

anachro-fukurou.hatenablog.com

さて,栄町銀天街から鋭角に入る路地,その名も「栄小路」へ飛び込んでみよう。

 

f:id:anachro-fukurou:20210116111839j:plain

木造2階建ての長屋が,路地を形成している。

 

f:id:anachro-fukurou:20210116112005j:plain

2階の建具の意匠から,色街の残り香が感じられる。

 

f:id:anachro-fukurou:20210116112009j:plain

線の多さゆえに,一点透視が美しい。しかしその縦と横の線は垂直水平から外れ,自由に乱れている。その整然と雑然の鬩ぎ合いこそ,路地の魅力とも言えよう。

 

f:id:anachro-fukurou:20210116112014j:plain

空撮でも把握できるのだが,この一角は周りのグリッドから45度ずれて建ち並んでいる。何故そうまでする必要があったのか。

 

f:id:anachro-fukurou:20210116111846j:plain

銀天街に面した3階建の建物の背面を映すと,この路地がグリッドに対して斜交しているのが見て取れるだろう。

 

f:id:anachro-fukurou:20210116112019j:plain

そして更に驚くべきは,栄小路は反対側へ抜ける前に,90度折れ曲がるのだ。つまり,栄町銀天街に対して45度ずれていた道が,ここから先は135度ずれる,というようなイメージである。そのカーブの内側を,広角でどうにか撮ってみる。

 

f:id:anachro-fukurou:20210116112023j:plain

外部からの視線を妨げるように意図された街。カーブの内側の建物は,実にデコラティブで色っぽい。

 

f:id:anachro-fukurou:20210116112027j:plain

ブロック塀の透かしの意匠に,地方都市の香りを感じてみたり。

 

f:id:anachro-fukurou:20210116112031j:plain

そして最後はこれだけ浅い角度で,銀天街に並行する仲町通りに繋がるという訳だ。栄小路,なかなか興味深い路地だった。

 

f:id:anachro-fukurou:20210116111855j:plain

何の変哲もない景色も,こんなご時世だから尚更愛おしい。

 

f:id:anachro-fukurou:20210116112036j:plain

装テンは外され,店舗としてはもう現役ではないのだろう。

 

f:id:anachro-fukurou:20210116112040j:plain

ザ・裏面。カラフルで素晴らしい。

 

f:id:anachro-fukurou:20210116112044j:plain

この町には三宜楼の他にも何軒か,3層の旧妓楼が現存している。中が見てみたいものだが,個人住宅として現役のようだ。

 

f:id:anachro-fukurou:20210116112049j:plain

ブルーの上塗りが実に素敵な物件だった。

さて,何となく連載の終わりのような雰囲気が出てしまったが,門司港にはまだまだ楽しい世界があるので,続いてご案内しよう。

その3(有楽街&名も無きスナックビル)へ続く。

 

▼関連記事はこちらから。

 

▼ 宜しければクリックのご協力をお願い致します。

にほんブログ村 写真ブログへ

にほんブログ村 写真ブログへにほんブログ村 写真ブログ 建物・街写真へ