梟の島 -叙情的叙景詩-

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村山駅前散策:「大山呉服店」とその周辺の街並み。

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大山呉服店。 2021.11.28 村山市

 


11月28日(日)。今月4回目の出張先は,山形県新庄市である。振り返ると4回の出張のうち3回が東北地方という,実に幸せな一ヶ月だった。火曜日の早朝から調査ということで,月曜午前を半休扱いにし,前々日の朝に出発。日曜・月曜を自由に使うことにした。保原町散策旧亀岡家住の見学からまだ5日しか経っていないが,これらの旅程に余裕を持たせておいたこと,今回の山形行も行程に自由度を持たせたことで,食傷にならないよう最大限の注意をした格好である。

早朝6時すぎに出発。7時12分発のつばさ123号で,北を目指した。

朝も早く,疲れも溜まっていたので,暫くは爆睡。

 

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福島駅で目が覚めると,外は良く晴れていた。

これまで山形県内陸部は3回訪れている。1回目は2010年,陸東で新庄に入り,陸西で庄内に抜けた。2回目は2014年,バスで山形入りし,奥羽・陸西で庄内に抜けた。3回目は2016年,仙山線で山形に入り,左沢線を乗り潰してから米沢に移動,夜は米坂線で坂町に抜けた。ということで,奥羽本線の福島~米沢間は今回が初乗車となった。

車中からは,つい昨春に廃止になった赤岩駅のホームを視認した。進めば進むほど雲行きが怪しくなり,ついには積雪が見られはじめた。

 

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板谷峠では木々の着雪が見られ,例年より一足早く冬の訪れを感じることとなった。

その銀世界も束の間,米沢盆地に入ると雪は消え,穏やかな陽射が見られた。

天童で親子連れが乗って来た。車内放送を聞いた女の子が父親に「さくらんぼ東根ってなに?」と聞いていた。駅名らしくない駅名を付けるとこういうことになるのかと,妙に印象に残った。そんな天童駅を発ったあたりから,空には再び分厚い雲が広がりはじめ,村山に着くと予報通りの雨となった。2021年,何というツキの無さであろうか。

 

さて,村山駅前で許された散策時間は,後続の鈍行列車までの僅か30分ほど。我ながら馬鹿げたスケジュールであるが,たとえ30分だとしても,どうしても寄らなければならない「理由」があった。

 

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駅前から東へ歩き,県道120号線を北へ進む。傘を差し,車を避けながら撮影。

 

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街角の食堂。時間に余裕があれば,こういうところで昼食にありつきたかった。

 

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天文台があるという店。

 

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看板建築風の建物と。

 

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さて,お目当てが見えてきた。

 

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大山呉服店。これをどうしても見たかったので,村山でわざわざ新幹線を降りたのだ。

 

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ベランダが最高だ。手摺といい,イオニア式オーダーの柱といい,看板といい,素晴らしい造りである。

 

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ネット情報によれば,この建物は鉄筋コンクリート造だという。すると厳密には看板建築ではないので,擬洋風の商店建築とでも言えばよいのだろう。

 

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こんな良作,文化財に指定されて然るべきだと思うのだが…ベランダの天井には蔦が回っている痕跡がある。

 

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気が付けば雨が止み,奇跡的に陽射が差し込んできた。奇跡的な力を感じた。

 

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レリーフと看板の立体感が増す。

 

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左右を挟まれているのが不思議な佇まい。

 

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名残惜しいが,アングルも少ないし,時間もないので,これにてメインターゲットの撮影を終了。またいつかお目に掛かりたい,最高の近代建築であった。

 

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雨上がりの街をもう少し歩こう。

 

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マドンナ通り。店舗という以前に,そもそも建物が殆ど無くなっている。

 

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120号線から東へ向かう道。

 

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街道沿いには商店の痕跡が並ぶ。

 

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「菓子の吉藤」は現役の商店のようだ。シャッターの絵と色使いが可愛らしい。

 

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やまか呉服店。入母屋屋根になまこ壁の,立派な建物だった。

 

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ブリヂストン。

 

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その奥に,もう一つのターゲットがある。

 

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平長魚店と,その奥の近代建築である。

 

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魚屋は営業中。時間があれば寄ってみたかった。

ところで,肉屋と魚屋は,旅先ではなかなか中までお邪魔するのが難しい。その場で食べられるものがあれば,その買い物のついでに中を見せて頂くという,自分を赦すためのストーリーが作れるのだが,特に魚屋だとそれが難しい。ふらっと立ち寄って会話できるような図太い神経と,人に好かれる力の両方が欲しい。いや,もしかすると,やってみれば存外に簡単なことなのかもしれないが。

 

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隣のこの建物は,間口に対して奥行きがかなり長い。

 

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窓の造り方を見るに,こちらも鉄筋コンクリート造か,あるいは組積造だったりするのだろうか。年代も用途も不明の,不思議な建物だった。とりあえず売物件らしいが,買い手はあるのだろうか。

 

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斜向かいの商店。

 

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やまか呉服店に戻って来た。

 

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120号線の一本西の道を歩き,駅に戻ろう。

 

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マドンナ通りの裏側。

 

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街道沿いの建物,その背後には桐の掛かった山が見える。

 

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裏通りは,少しくたびれた雰囲気だが,それが美しい。

 

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いよいよ時間が厳しくなってきたので,撮影しながら小走りで駅に戻る。

 

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晩秋のトタン物件。

 

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「CHINESE PUB 香港」という(火種になりそうな名の)店があったのだが,この感じはもしかすると解体の準備段階なのかもしれない。

 

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石蔵が街角にゴロッと残っていると迫力がある。

 

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小さな飲食店街。ここを抜ければ村山駅である。

こうして文字通り駆け足で村山駅前の散策を終了。新庄行の列車の発車時刻2分前に,改札を抜け,ホームに到着した。

 

新庄散策その1へ続く。

 

 

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