魔窟。 2021.02.23 中野駅北口
2021年2月23日(祝)。雑司が谷,新井薬師前,沼袋に続き,今日も買い物と散歩がてら,中野駅北口の繁華街でスナップショットを撮影している。
▼その1はこちらから。
その2では,三番街,五番街,そして白線通りを中心に歩いてきた。ここからは,白線通りを北側に折れ,この街随一のディープスポット,中野ワールド会館とその周辺を撮り歩こう。
グリッドが直交しない,謎の街。
謎の広場に出ると,北側は整然と店舗兼住宅が並んでいる。
南を振り向くと,こちらも比較的きれいにファサードが並んでいる。
街の撮影ではなかなか有り得ない角度。いったいどういう理由でこんなアングルが撮れるのか,現地を訪れてみないと分からないだろう。
大きな広場の中央に,島のような一角が形成されている。その島の外周をぐるっと回る道は,いわば海であり,川や運河ではない。
島を右正面に見る。
アシンメトリーと見るか,シンメトリーと見るか。
島には2棟の建物が建っている。右手の赤い扉はそのうちの一つの裏口である。四周を公の空間に接している以上,もはや表も裏もないのだが。
大広場の北の裏路地。
ホテルは廃業して久しい。
裏と裏,背中合わせ。
東側の側面。さて,そろそろ本命の魔窟に迫ろう。
中野5丁目55番街。ワールド会館である。
圧倒的な存在感。1970年ごろにホテルや映画館として誕生し,その後は形態を変え,雑居ビルとして現代に至る。
サブカルの街の2大巨頭。取り壊しの噂が流れたりもしているが,2021年2月現在,健在である。
不思議な静けさを纏う。
足音を忍ばせて,階段を上る。
想像以上に洒脱な空間が現れて,面食らう。
そうか,古臭いだけじゃなくてここ,格好良かったんだ…。居心地は最高に悪いのだが,しばし見惚れてしまった。
緑の一角。
華奢な曲線は,華美になりすぎず,丁度良い。
補色で構成される。さすがにもう動かないのだろうか。
地階はややハードルが高そうなので,ここから先の撮影は興味のある方にお任せするとしよう。
外壁の衣装ともリンクする,2方向に分かれる階段。中まで踏み込んだのは初めてだったが,想像以上に美しい空間だった。
上階部分は一体どうなっているのだろう…。
HOTELワールドの看板に時代を感じる。このくらい華やかで現代的な建築ですら,もう半世紀を生きているのだ。
シールだらけ。
中野のランドマークとして,いつまでその姿を留めてくれるだろうか。
さて,そろそろ島部分から脱出しよう。
「中野新仲見世商店街」というのが正式の名称なのだろうか。「島」の建物は,絶妙なツートンカラー。ワールド会館のファサードと突出部の色を意識しているかのようだった。
また夜の姿も拝みに来よう。
ブロードウェイの西側の裏路地は,駐輪場のための道。
裏に追いやられた機械たち。
2台がペアになっていて,まるでカーズのようだった。
早稲田通りと中野通りが交わる,新井交差点にて,散策を終了。
春はまだ浅い。
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