8月21日は朝から別府市街で近代建築を巡り,竹瓦小路に寄り,その後は「夜の街」の朝の様子を撮影してきた。中津に向けて一度は出発したが,道中で木造アーケードを奇跡的に発見。車を停め,ネットに殆ど情報のない標準市場の跡を撮影した。
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さて,別府ICから高速道路で宇佐ICまで,その先は国道10号・国道213号で中津市街へと入った。到着して,建築を1箇所見学してから,出張調査である。
薦(こも)神社神門が見えてくる。すさまじい逆光,直視するのも難しいほどだ。
宇佐神宮との関係も深く,宇佐神宮の「祖宮」という(この単語で検索しても薦神社しか出て来ないのだが…)。
神門は江戸初期の建築,国指定重要文化財である。この先暫く,お世話になります。
唐破風の裳階があり,極めて特徴的な表情である。
奥に見える社殿は江戸後期の建築だ。
境内には半ば打ち棄てられてしまったような太鼓橋があって,妙に印象的だった。
さて,出張調査が早めに終わった。折角下調べをしたので,苅田の夜景までの間,中津市街をうろうろしよう。
駅北口から西に向けて,日の出町商店街がある。早速ここを歩いてゆく。
入ってすぐに,ホルモンセンター。 肉も魚も野菜も,専門店で買える街は良い。
ずらりアーケード,壮観である。
何十年と愛されてきた商店街。コロナ禍ではあるが,今なお店の多くには活気や生気が感じられる。中津市にどういった産業があるのか分からないが,人口減や高齢化が進んでいるという訳ではなさそうだ。
この「表通り」である日の出町商店街,横道に入ると突然,空気が変わる。大阪感…。
夜の店と東横イン。
アーケードが架かると「化粧」されてしまうので,整然として見えるのだが,裏に回ればこの感じ。この方が見ていて落ち着くかもしれない。
かなり西に進んで,アーケード商店街から途中で右に折れると,年季の入った飲み屋街が広がる。
このあたり,夜はどのような感じなのだろうか。人の気配は十分にあったが,営業しているのかどうか。
「モウーちゃん食堂」は閉業しているようだが。
T字路で左折してアーケード側に戻る。質とたばこの看板。
これが日の出町商店街の終点である。ざっと300m弱の長大なアーケードだった。
さらに西に歩くと,今度は新博多町商店街のアーケードが南北方向に走っている。下調べの際,解体されるかもしれないという噂のようなものを目にしたので,探訪する際も不安だったのだが,2020年8月,しっかり残存していた。
150mほど続くアーケード。看板といい天井といい,非常に装飾的で,これからも使われてゆきそうな気配があった。
しかし店舗の活きの良さは,日の出町商店街には劣り,高齢化,店舗自体の高齢化,代謝の悪さを感じた。
アーケードを抜け,県道108号線を渡り,さらに北に歩いてゆく。
魔窟のようなビルがおもむろに姿を現す。
フェアトレードカフェの奥には,公的なものではないアーケードが。
ほぼ「家」であるが,嘗ては店舗があった気配だ。異様な静けさに包まれている。
突き当たりで左を見る。ほぼ全ての建物が,廃墟の様相だ。下調べではもう少し人の気配があるような印象だったのだが,この数年で廃墟化が進行してしまったらしい。
朽ちるディテール。内部も荒れているようだった。
ここが行き止まりの,袋小路。平面はT字だった。店の往時の姿は,想像する術も無かった。
中津市街,駅の北側には,スナック街が展開されているのだ。もうしばらく散策を続けよう。
中津散策・後編へ続く。
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