梟の島

梟の島 -叙情的叙景詩-

-叙情的叙景詩-

Pro Invitational iRacing Seriesを経て,NASCARが復活!

 


Full Race Replay: 2020 Daytona 500 | NASCAR at Daytona International Speedway

 

NASCARとは?

NASCARNational Association for Stock Car Auto Racing)というモータースポーツ(カーレース)のことを知っている日本人は,果たしてどのくらい居るだろうか。

国内での知名度は低いのだが,アメリカ人でこれを知らない人は恐らく居ないだろう。2~11月の週末に米国内各地のRacewayで行われ,毎レース10万人近い(もしくは越える)集客を誇る。年間チャンピオンは,何とホワイトハウスに招待されるのだ。

日本人の多くにイメージを持ってもらうには,「ディズニー映画「カーズ」(初代)のモデルとなったのは,このNASCARである」と言えば良いだろうか。いわゆるストックカーという,言ってみれば「普通の車」の形をした車で行われるモータースポーツだ。

 

そして僕はこれが世界一面白いモータースポーツだと信じてやまない。かれこれ10年近く(多少ブランクも空きはしたが)観戦している。昨年までは日テレG+でも視聴できたのだが,今シーズンからは打ち切りになってしまい,日本語で観ることは出来なくなった。それでもNASCAR公式Youtubeが,レースの約3日後にはフル尺の動画をアップしてくれるので,英語字幕の力も借りつつ楽しむことができる(日テレG+時代も日本語版の放送はレース1週間後だったので,ディレイという意味では全く気にならない)。動画検索の際にうっかりほかのダイジェスト動画のタイトルやサムネイルで「ネタバレ」しないように注意さえしていればよい。むしろ(当然なのだが)英語版の方が情報が多くて,純粋に楽しい。

 

NASCARの魅力

この説明はまた後日時間とモチベーションのある時に改めて丁寧にしてみよう。

とりあえず魅力を3つに絞るなら,こうだろうか。

・最高時速320km/hで車間距離がゼロになり,スリリングである

・レースを通じて順位変動が大きく,エンターテインメント性が高い

・戦略,戦術によって結果が大きく変わる事が多く,ゲーム性が強い

 

NASCARを知った後は,ほかのモータースポーツを見ると正直じれったい。敵を追い越せなくて,見所が少ない。エンターテインメント性が著しく低く見えてしまうのだ。(日本ではF1こそがカーレースだと今でも思われているようだが,本当にあの感じが好きな人が,本当に多いんだろうか?)

NASCARでは,敵の進路を1度ブロックして良いが,2度目はブロックされた側が相手をスピンさせてよいという暗黙のルールがある。これが時にドライバー,チーム同士の因縁を生み,場合によってはレース後の殴り合いや「場外乱闘」にまで発展することも。そういったドライバーの人間味までを楽しめるのだ。NASCARは,このように少しばかりプロレス要素も入った,エンターテインメント性,ゲーム性,スリルのあるモータースポーツである。

過去には日本人ドライバーも参戦したこともあったし,何といってもトヨタNASCARに欠かせない存在である。Grand Turismoなどのレースゲームに馴染みのある日本人には,もっとウケて良いんじゃないかと思うのだ。個人的には野球的な要素を感じるので,尚更である。

 

NASCAR Pro Invitational iRacing Seriesの取り組みに感動


Full iRacing Replay: Dixie Vodka 150 at Homestead-Miami Speedway | Pro Series Invitational

記事最上部の動画で,レース中のシーンを少しばかり見た後,この動画の中盤を少しばかり見てみてほしい。このシミュレーションのクオリティにまず驚くだろう…。

NASCAR iRacing”自体は,日本でいうところのESportsであり,既にジャンルとして確立されていた。これはただのゲームではなく,シミュレーションである。コースはレーザーのスキャンデータに基づきありのままに模られ,タイヤの摩耗度合など,極めて忠実に再現(というか「計算」)される。「プロゲーマー」の中には一部のプロレーサーも交じり,しのぎを削っていた。

今年は「コロナ禍」により,3月下旬からNASCARの「本物」のレースが中止になってしまった。しかし初めて中止となったレースの1週間後,なんとNASCAR iRacingにNASCAR本物のプロレーサーが参戦する“Pro Invitational Series”が始まったのだ。別に米国礼賛のスタンスで居るつもりなど全くないのだが,この迅速さには感動してしまった。日本でこのスピード感はなかなか考えられないだろう,これがアメリカらしさなのだろうか。

このPro Invitational Seriesで何戦か,中止になったコースを忠実に(先述の通り画像的表現に留まらず,データとして忠実に)再現されたバーチャル・コースでレースが行われた。やはり「プロゲーマー」は早いのだが,プロのレーサーもそこに割り込むように健闘する様子は,普段のレースとは異なる魅力があった。

プロレーサーは自宅等にRigと呼ばれる操縦装置を設置した。人によってはただのモニター,人によっては本物の車のコックピットを模したものまで,スタイルは様々であり,その様子も視聴者を楽しませてくれた。多少ネタバレにはなるが,Denny Hamlinは娘が自宅内のリモコンを操作したところこのRigのディスプレイが消えてしまい肝心なところで順位を大きく落としてしまったし,Alex Bowmanは自身のトラブルを「愛犬が運転していたからだ」とするチャーミングなSNS投稿をオンタイムでアップしていたりもした。NASCARに携わるすべての人が,この状況下で全世界のファンを退屈させないよう,そして自分自身も最大限楽しむように努めていた。

 


iRacing Pro Series Invitational from North Wilkesboro Speedway

1996年に閉鎖された往年の名コース,North Wilkesboroもバーチャルで復活した。古参ファンは喜んだことだろう。

蛇足だが,放送スタジオの実況・解説陣が,この試みの初回からしっかりとSocial Distancingに励んでいる様子は印象的だった。3月下旬だったので,まだ日本にはその概念が十分に浸透していなかっただけに。

 

■そしてNASCARが,いち早く再開された

 
Full Race Replay: The Real Heroes 400 | NASCAR Cup Series from Darlington Raceway

そしてiRacingの試みを経て,5月17日(現地),NASCARは再開された。恐らく世界的に見ても,コロナ禍以降,最も早く再開されたメジャースポーツなのではないだろうか。無観客,チームメンバーの人数制限などにも工夫を凝らし,国内各地を周遊するスケジュールを大きく変更し,NASCARで最も古いサーキットであるダーリントンにて,10週間ぶりにストックカーの咆哮が響き渡った。今季初戦の大クラッシュで一時は命まで危ぶまれたRyan Newmanがこのレースで試合に復帰するという良いニュースが,1つプラスされることにもなった。(レースの結果は,ネタバレになるので割愛する。)

中止になった分のレースを取り戻すべく,Cup Seriesは5/17,5/20,5/24,5/27とハイペースで,ダーリントン2戦,シャーロット2戦という異例のスケジューリングで実施される予定だ。

この先もNASCARは,きっと本気で視聴者を楽しませてくれるだろう。開催にいかなる追い風も吹かぬことを祈りつつ,今後の展開に注目したい。

 

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