昼下がり。 2021.11.03 鼠ヶ関漁港
11月3日(水祝)。急遽決まった酒田出張の前日,羽越本線沿線の集落を巡ることにした。早朝は鉄道・徒歩移動で,寝屋と鵜泊の集落を歩いた。その後は鶴岡で車を調達し,加茂,由良,三瀬,小波渡,温海乙,大岩川,小岩川と巡ってきた。
▼その1はこちらから。
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小岩川を発つと,いよいよ山形・新潟県境が迫って来くる。鼠ヶ関漁港に車を停めた。
これまでの静かな集落とは異なり,鼠ヶ関は随分と開けた印象である。土産物店(茶屋)が幾つか並んでいた。
ちょうど陽射が降り注いできた。
間近に船を見られるのが地方の魅力の一つだと思うのだが,これも時代と共に変わりゆくのだろうか。
漁港と厳島神社の先へ伸びる道を歩いてゆく。目の前には磯,その奥には紺色の海原が広がる。
鼠ヶ関灯台へ。
本当は一人きりになりたかったのだが,家族連れの旅行客のうちの一人,中高生くらいの青年がスマホ片手に散策していて,どうにも気持ちが落ち着かず,景色に心開くことが出来なかった。
灯台の傍らには,恋のいす。
その奥には,愛のいす。
風が強かった。
青年も居るし,あの名前の椅子に一人で腰掛けるのも気が引けるので,ぐるっと回って灯台を後にした。
岩。
時間が許すのなら,ずっと見ていたいくらいである。
漁港に戻ると,今日一番の太陽光が降り注いだ。
土産を物色。2人のおばあさんが営業している店で,するめといかトンビを購入した。いかトンビはかなり硬く,味が長続きする。「もっと持っていきな」と試食のいかトンビをさらに一握り貰ってしまったので,車中でガム代わりに食べたりした(流石に味が強いので,そんなに数は食べられなかった)。するめは帰宅後,炊き込みご飯としても美味しく戴いた。
車を少し走らせると,いよいよ山形・新潟県境である。「境標」という言葉は初めて知ったが,一般的ではないかもしれない。60年以上前に建てられたという。
車で横を通過すると,すぐにカーナビの「新潟県に入りました」という音声が流れた。
時刻は14時を回った。そろそろ日没の時間を意識しなければならない。どこまで計画を遂行できるか,どこまで太陽に恵まれるか。ここから先はいよいよ,慣れ親しんだ場所への「帰省」が始まる。
その7へ続く。
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