梟の島

梟の島 -叙情的叙景詩-

-叙情的叙景詩-

福井県小浜市:羽賀寺,しずかに宵闇に溶けゆく。

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山に囲まれ,夜を待つ。2019.11.23 小浜・羽賀寺

 

小浜の文化財建築を巡る旅も,ついに日没が近付いて来た。

▼蓬嶋楼はこちらから。

  

 

蓬嶋楼を去る頃には日もだいぶ傾いてきており,蘇洞門に向かう遊覧船の最終も既に出航してしまっていた。ここからは,残る時間で夕陽でも見送ろうと考えていたのだが,それにはまだ若干時間が早かったようで,若狭湾に沈もうとする太陽にはまだまだ余力があり,ファインダー越しにも到底直視できるものではなかった。そこで,ぎりぎりの時間ではあるが,このまま未練を残してしまうのも勿体なさすぎるので,10分ほど車を走らせて本日6件目のお寺,羽賀寺(はがじ)へと向かうことにした。

羽賀寺に到着して,拝観をお願いしようと僧坊(といっても住宅風である)のインターホンを押すが,応答がない。「不在時はこちらに…」のメモに記された電話番号に連絡すると,元気なお姉さまが応対してくれた。ちょうど運転中で,5分ほどで戻ってきてくれるという。拝観終了の17時ギリギリで,もう今日の来客は無いと思い私用に出発してしまったのだろう,無理もない。拝観受付終了が16時半の場所もあるのを承知の上で,半ば駄目元でアタックしたので,戻って来てもらえることにひたすら感謝である。

といっても,この時間で太陽はどんどん力を失ってゆき,あたりが暗くなってゆく。ヨメ氏を現本堂・僧坊の近くに残し,鮮やかな紅葉に飾られた一人参道の階段を駆け登り,外観を撮影する。

 

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山裾に建つ5間堂(梁間は6間だったことに撮影途中で気付いたが)は1447年,室町中期の建築で,本日1件目の飯盛寺より40年ほど古いことになる。

 

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桧皮葺の入母屋屋根,全て閉められた蔀戸の格子が整然と並んでいるこの独特の表情,軒反りの大きさを不自然に感じさせない全体の姿勢の調和,こういった一つ一つをもう少しじっくり見ていたかったが,光線状態がいよいよ苦しくなってきてしまった。

 

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程無くして電話により戻ってきてくださったお姉さまが到着,堂内ではきはきとガイドをして下さった。17時を回ろうとしていたが「時間の許す限りゆっくりご拝観ください」と言って下さり,本当に感謝である。堂を出た頃には既に夜の帳が下りており,建物の輪郭は宵闇に溶けてしまっていた。足元に気を付けながら参道の階段を下り,車へと戻ったのだった。

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