梟の島

梟の島 -叙情的叙景詩-

-叙情的叙景詩-

小浜・湖東旅行(3):湖東の一日,そして全旅程の総括。

まずは湖東三山。北から順に,西明寺金剛輪寺百済寺と巡る。

 

そしてそのまま南下して,永源寺へ。


さて旅の次なる目的地は,「近江日野牛岡﨑レストラン」(googleでは「近江日野牛岡崎レストラン」表記)である。ヴォーリズの和風建築である岡家住宅へと向かう道中で昼食処を調べていたところ,ちょうどこのレストランが検索でヒットし,ネットでなかなかの高評価を獲得していることを出発直前に把握していたので,満を持してのアクセス。永源寺からは15分ほどで到着した。レストランは思った以上に新しく小奇麗で,駐車場も広い。ランチにしては庶民の財布が苦しいかと思ったが,メニューの少し後ろの方のページには良心的な価格設定の定食と丼物があったので,これらを注文。口コミ通り,提供までが非常にスムーズなので,それだけで旅の食事として評価できる。そして肝心の牛肉の味は文句なく美味で,小鉢のしぐれ煮もまた良い。

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ぺろりと平らげ,レストランの隣に店を構える肉屋も覗く。14時半すぎというやや中途半端な時間にも関わらず,車での客が何人も店内にいるのは,さすがの有名店といった感じだろうか。ちょうど社長からお祝いを頂いていたのでそのお返しに肉を買う,というところまでを漠然と考えていたのだが,どうやらここはまたとないチャンスである。とりあえず品定めをして,ただし岡家住宅の予約が15時に迫っていたので一旦保留とし,店を出て再び車移動である。

 


最後の運転の道中,まずは岡﨑の肉屋に立ち寄り,ご祝儀のお返しとして,すき焼き用の近江日野牛を事務所宛に発送手配。自分たちの土産としても,レストランでの昼食で提供された牛しぐれ煮を購入した。こちらは商品を入れた紙袋にドライアイスを勢いよく放り込んで封をしてくれた(ワイルド!)。肉屋を出発してからは,ただひたすらに夜道を走る。米原に到着し,一日の相棒デミオを返却。ひかり532号乗車前に食料を調達したかったのだが,駅前があまりにも閑散としすぎている。時間も十分ではなかったこと,車を返却してしまったこともあり,外での買い物を断念し,一度在来線のホームに入場してエキナカ売店で最低限の食事(パンなど)を買ってから,新幹線改札を通過。新幹線ホームの売店は18時台だというのに既に閉店していたので,在来線経由にしたのが命拾いだった。最後に水などを調達してから,乗車。新大阪発だというのに自由席はほぼ満席だったが,まずはばらばらに一席ずつ確保できたし,幸いにも並びの席を岐阜羽島から確保できた。夕食は全くもって質素なものとなったが,そっくりなラベルの「湖東三山」と「永源寺」のカップ酒の「飲み比べ」をしたところ中身が全く同一であるということを確認できたのは面白かったw あれだけ類似のラベリングだったというのに,購入時に何故全く気付かなかったのだろうか。まんまと観光客向けの商売に引っかかってしまったという訳だ。
東京駅には定刻,2110着。中央線に揺られ,22時前に帰宅。


2日間で,とことん文化財建造物を見まくった。小浜仏堂オールスターズの六者六様っぷり,湖東三山の境内の規模の大きさと独自性,今回においては「変化球」の位置付けとなった永源寺。好物の中世仏堂は9棟,三重塔は計3棟。さらには味を変えて近代物である蓬嶋楼と岡家住宅。時間あたりの建築数で考えると極めて密度が高く,あまりにも建築探訪に振れ過ぎている旅ではあったものの,実際に道中ではそのようには感じなかった。紅葉という副産物の効果というのも勿論大きかったとは思うが,やはりどの物件も個性が際立ったおかげで食傷にならず,新たな建物と対峙するたびに,全てを別物として純粋に楽しめたからだろうと思う。

出発日の夜,時間の感覚にどの程度ブレーキを掛けられるかがこの旅の一つの隠されたテーマになるかもしれないと考えていたが,これについては,刺激への解像力というか読解力というか,これが上がってゆけばゆくほど(すなわち,良く見えるようになれば見えるようになるほど),「飽き知らず」になってゆけるのかもしれない。もちろん,類型を複数知ってしまう事でパターン化されてしまうという面ではこの限りではないのだろうが,見えれば見えるほど,独自性に目が行く筈なのだ。今回は少なくとも,これらの制動が十分に機能し,日常の速度感覚よりもかなりゆっくりとした非日常の時間を送ることができたのではないだろうか。

2019年,これで国宝建造物を新たに10棟見る事が出来た。コレクション心の火をこれからも絶やすことなく,各地に赴き,着実に数を伸ばしてゆきたいと思う。 

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