梟の島

-追想の為の記録-

大分工場夜景:夏の夜の大在ディズニーと「秘密の部屋」。

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夏の夜。 2020.08.20 大分・津久見

  


8月20日(木)。大分出張の前日。崎で太平洋セメント大分工場跡のEREXのプラントの後は,津久見太平洋セメント津久見工場を撮影した。

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堅浦を去り,一路,大在(おおざい)へ向かう。国道217号と,県道205号をひたすらドライブ。県道での山越えの最中は,すれ違う車もほぼ無く,見えるものはほぼ森のみ。車の外ではバイクのような爆音…の声で虫が鳴いているのだが,あれは一体何なのだろう…。最も長い,峠を貫くトンネルは,工事のため片側交互通行になっていた。トンネルの入口には何と交通整備の人が居た。こんな山奥,真夜中に,ほぼ一人でいると思うと,何と心細いことか。自分には出来そうにない仕事だ。頭が下がる。

さて,1時間ほどの運転を終え,「大在ディズニー」に到着。対岸の煌びやかさ,キャラクターが隠れていそうだとか何とか,誰が言い始めたのかもその理由もイマイチ分からない謎の呼称なのだが,敢えて使わせて頂こう。撮影のための道は,基本的にはヤンチャな車とその周辺にたむろする若者の溜まり場である。わナンバーの飾り気のないヴィッツは明らかに場違いな存在なのだが,そんなことには構っていられない。

大分LNG,九電新大分発電所の入口付近に三脚を構え,いざ撮影を開始。

と思ったら,車内の冷房と外気の湿度の所為か,レンズがいきなり激しく結露してしまった。自然乾燥に期待できないほどだったので,クリーニング用のペーパーでささっと拭き取って,幸い大事には至らず。気を取り直して,今度こそ撮影開始である。

 

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対岸は,JXTG大分製油所。フレアスタックもシンボリックだ。

 

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大野川の河口にへばりつく,妖艶なプラント群。

 

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そこそこしっかりとした望遠レンズが要求される距離感だが,そんな中でも視野を広角に動かしながら,色々なアングルを楽しむことができる。

 

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たくさんの針のように,煙突や蒸留塔が建ち並ぶ。

 

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空は白い。夏の夜の海際の,べたつく蒸し暑さ。息を凝らしながらの撮影に,汗びっしょりである。

 

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ある程度しっかり望遠で切り取っていくのが美しい。

 

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くっきりはっきりとした絵を求めるなら,真冬が望ましいだろう。だが,夏のこの空気感も,いざ画にしてみると悪くはないものだ。

 

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タンク群の立体感。角度の浅いライティングに感謝である。

 

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異世界感が強い。

 

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シャッタースピードを短くして,フレアスタックを映し出す。かなり赤く,ピンクに近いような色だ。

 

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炎のメラメラ感は,なかなか肉眼の通りには写せないものだ。それでもかなり近い形で撮ることは出来ただろう。

 

これで,岸壁での撮影を終える。この後は,出発直前に偶然発見したオトナの場所で,ちょうど狙った「秘密の部屋」のうちの1つが空いていたので,ここの「露天」から撮ってみる。

 

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なるほど。海面が大きく見え,アングルとしては非常に良いのだが,残念ながら電線が掛かってしまうようだ。

 

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電線が無ければ最高の画角,距離はやや遠くはなるが,岸壁よりもプラントの魅力をより引き立ててくれるくらいだ。実に惜しい…。

 

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JXTGのメイン所から少し南にパンしてみる。背後に蜃気楼のように見えるプラントは,大分石油化学コンビナートである。恐らくは昭和電工だろう。

 

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南西を向くと,こちらも煌びやかだ。住友化学のプラントか。

さて,既に深夜1時半を回った。16時に大分を発ち,17時から津久見の街を撮り始めて,既に8時間半,流石に体力の限界である。明日も朝から活動だ。気絶するように就眠,無駄に広いベッドで深い眠りに落ちた。

 

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翌朝は6時台に起床。チェックアウトの直前にも「工場朝景」を撮影。

 

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兄弟。

 

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タンクの頂部がドームのようになっている。

 

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まだ若い朝日を浴びて,寝ぼけ眼,といった感じの表情だった。

 

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最後に,22号線の向こうの,王子マテリア。
 

なかなかアングルがないので今一つ有名にはなれないが,JXTGあり,日本製鉄あり,昭和電工をはじめとするコンビナートあり,住友化学あり…,大分市は,工場夜景という観点から見るとなかなかポテンシャルの高い街である。そしてこれが県庁所在地なのだから,ちょっと特殊な存在である。四日市や鹿島のように,タワーの上から眺められたらさぞ面白かろう。

この後は車を北へ走らせ,別府市街へと向かう。通勤時間の渋滞に巻き込まれるところから,新たな一日が始まった。

 

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