梟の島

梟の島 -叙情的叙景詩-

-叙情的叙景詩-

Rマンション(3):闇に飲まれゆく軍艦。

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モノクロの夕べ。

 


某年某日,某県の「Rマンション」にて。建設途中の状態で20年以上放置されてしまった悲運の廃墟。軍艦マンションと呼ばれることもある物件である。

前の記事では,未成の居室を巡り,椅子やペンダントライト,机にTVなどの残留物を撮影してきた。


さて,いよいよ日が傾いてきた。惜別の時が近い。もう一度,屋上のスペースに出てみた。 

 

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朽ちた褐色の十字架たちが,虚しく空を指す。

 

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飛行機雲は,希望,文明,飛翔,旅といった,ポジティブなイメージの象徴的な存在のように思える。しかし眼前にある遺棄された巨体は,あまりにも対照的だった。シルエットで陰のみを捉えた。

 

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壁には侵食者の跡。

 

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鉄骨や鉄筋が剥き出しで放置されている様は,やはり出てはいけない「中身」が露出してしまっている感があり,痛々しく哀れだった。

 

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配管の孔,スポットライト。

 

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1階は,随分と暗くなっていた。到着時の明るい空間とは,印象がまったく異なる。

 

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無骨な柱梁。不自然な汚さ,不自然な空ろさが,ここが廃墟であることを教えてくれる。

 

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高い窓からの間接光が,素晴らしい演出をしてくれる。

 

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絵の構成要素としては垂直成分が多いのに,水平方向への広がり,横たわって斃れている物のような印象がある。

 

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居心地は良くも悪くもなかった。もっと居たいとも思わされず,そろそろ出た方が良いかもしれない,とも思わされず。あまりにも虚ろだった。

 

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特に意味は無くても,絵になったりする。

 

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最後に出口から,パース。この物件で,最も美しい空間だったかもしれない。

 

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ぽっかりと開いた窓は虚ろで,おどろおどろしい。

軍艦は今日も,来ぬハレの日を夢に見つつ,闇に溶けてゆく。
 

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