傑作。 2021.10.17 土浦
10月17日(日)。水戸出張の前日,生憎の雨であるが土浦散策を決行。桜町の歓楽街,川口ショッピングセンター MALL505,看板建築「武蔵屋」,土浦セントラルシネマズ,ハロウィン仕様の土浦名店街を撮り歩いてきた。
▼その1はこちらから。
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国道を北上してゆくと,中城通りの交差点に出る。
中城商店街。
角の保立食堂は有名なのだが,この日は臨時休業中だった。
背面側。
蔦に絡まれている。
土浦のスターと遂に対面。
石上霞月堂である。
美しき三本線。
正対。このスターが居るから,わざわざ雨の中,この街の散策に来たと言っても過言ではない。
3段の階段状の看板部分。三本線の向こうには丸窓があしらわれ,右下には「霞月堂」の文字。
10月の蔦はくたびれて,色は褪せており,部分的に紅葉も始まっている。そのトーンが見事に,タイルの色,そしてこの曇天模様と合致している。
この建物の特徴は,看板部のすぐ背面に妻面が露出している点だろう。普通はもう少し階高が低く,看板のみが突出しているものである。
「ヨーロッパ風ケーキ」という言葉は,何というか一周回った感じ。
閉業して久しいようだ。2階の窓は破れ,中から外に向かって吹く風に白いカーテンがゆっくりと靡いていた。
保立食堂との並び。
中毒を発症し,再び東面へ回る。
窓。
褪せて,また褪せて。
横顔。
さて,ようやく中毒症状を脱出できたので,中城通りを歩く。
ここは嘗ての水戸街道。土浦城のすぐ南を走る道は,この街の観光拠点でもある。
しっかりと整備された観光地だが,少し裏に入ると街並みの自然な表情が見て取れる。
矢口家住宅は県指定。2015年頃に全解体の修復工事を行い,現在は非常に美しい姿になっている。こういう綺麗すぎるものの前では,自分の感性はピクリとも反応しなくなってしまったのかと,驚き呆れる。
吾妻庵総本店。1階の建具は少し前に新しくなったようだ。数年経てば色も落ち着いてくるだろうか。
赤と青。
立体的なこの看板には,何か呼称があるのだろうか。
山口薬局。随分と現代的なタイル(石)を壁に貼っている。これが和モダンという奴だろうか…。
往時の姿からは想像もつかないであろう変容ぶり。意外と嫌いではなかった。
洋食小松亭。奥には金物店。気を緩めると,観光地でもこういった無名の物に目が行ってしまう。とある大学教授に「ブス専」と形容されたが納得であるw
黄緑の路地。
土浦まちかど蔵の側面を撮っていると,薄日が差して来た。まさかこんな荒天でも,夕方晴れ男は健在なのか。
蝕まれた看板建築。むしろよくそこだけ残ったなと感動する。
国道側を見る。
ただいま…!
薄日が差して,色温度が随分と変わった。
自分の家に欲しいくらいである。買えないかな…なんて思う。
あまりにも名残惜しいが,これでお別れである。
ここからは国道を東に渡り,本町通りに入る。
髙山印舗。
街灯は立派で,建物も素敵だが,活気は無い。
シャッターで店名を最大限に主張する。
石材店。先程の山口薬局の壁に似ている気がする。
程なくして,お目当てのこの建物が姿を現した。
内田砂糖店(1929)。電線をかわすのが難しかったが,何とか正対。
レリーフも美しい。
1階はオーダーを意識した意匠。コリント式か。
従来の建物のファサードから2枚ほど,壁が付加されたような格好で,その重厚な立体感に魅せられた。
霞月堂で時間を消費しすぎたため日没が迫って来ていたが,まだ見たいものがある。本町通りを急ぎ足で北上し,旧真鍋宿の街並みへと向かった。
その6へ続く。
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