梟の島

梟の島 -叙情的叙景詩-

-叙情的叙景詩-

和田岬線の朝(1):一番列車,103系の「正面ギラリ」。

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(正面ギラリ。2019.11.19 和田岬駅)

 

大阪・平野出張の集合時間に間に合いそうだったので,前泊は選択せず,サンライズ出雲・瀬戸で東京を発ち姫路へ向かい,そして「朝練」で和田岬線の撮影を遂行することに決めた。直前まで,出張先に近い大和路線の撮影も検討していたのだが,撮影可能な本数があまりにも少ないため,最終的に和田岬線に白羽の矢を立てた。

以下,サンライズの車中で執筆した文章の導入部分である。

 

小雨舞う東京を,11ヶ月ぶりのサンライズ瀬戸で発つ。Bシングル下段,1号車の8番である。前回のソロに続き,今回のシングルも初めての体験となる。 今日は18時半頃に仕事を終え,中野にいったん帰宅。シャワーと夕食を済ませ,重い荷物を持って21時に再出発。その忙しなさもあり,またこの旅があくまでも出張であることもあって,ワクワクという感覚からは程遠い出発であった。11月も下旬,事務所で手足が冷たくなる程度に寒くなってきた時期であるが,今日は南風の影響なのか,いまだに気温が18度程度あるらしい。翌朝のためにやや厚着で来た分,しっとりとかいてしまった汗を飛ばすべく,長袖のシャツ1枚になり,腕まくりして,菊水のカップ酒を飲みながらこの文章を認めている。

 

この先は,コアラのマーチを食べながら,アウトプットについて思案する文章が続く。思えばこの「梟の島」を立ち上げるための,思考の整理が行われていたのだろう。「「コアラのマーチの絵柄を見なくなったら大人」というような内容のことをメディアで発言していたのは誰だったか忘れてしまったが,いま複数のコアラたちを口にダイレクトに放り込んでしまって,何とも苦い気持ちになった。」という一文のみ紹介して,その他はまた改めて発信することにしよう。国府津駅を過ぎたあたりで,酒のみならず列車にまで少し酔ってしまったので,PCを畳み,翌朝に備えて眠りに就いた。

 

5時25分,姫路で下車し,神戸まで折り返す車中もひたすら睡眠に充てる。神戸で市営地下鉄に乗り換える。思えば初乗車だった。「ハーバーランド駅」への乗り換えが思ったよりも難しかったが,時間に余裕はあったので問題なし。和田岬駅に到着して,駅を車止め側から眺められる交差点で一番列車を待った。

神戸は朝は曇天の予報だったが,撮影直前,突如として予想外の浅い朝陽が差し込んできた。そして一番列車が,遠くに姿を現した。

 

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103系との再会,実に久々だ。スカイブルーは2012年の阪和線以来。胸が高まる。

 

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黄色く燃えるような景色の中,スカイブルーの103系,低運転台の優しい顔が近づいてくる。

 

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これは「正面ギラリ」だ。奇跡的な美しさ。

 

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鋼鉄車の独特の柔らかさ,面の歪みに感じられる哀愁と愛嬌。夕陽よりも明らかに強い朝陽が,その魅力を存分に引き出してくれた。

この光線,運転士からしてみたら,たまったものではないのだろう。

 

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極めて浅い角度の太陽だったので,停止位置まで列車が来ると,建物の影に入ってしまうようだ。停止位置まで車両1両を切った,本当にぎりぎりのところで,ギラリは終わった。

 

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11月にしては暖かい朝,それでも空気感は晩秋のそれであった。

 

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ヘッドライトはすぐに消灯。いつも通りの,何てことはない,平日の朝の出勤風景。この日常の一場面を己の目で見たくて,ここに来た。

 

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すぐさま尾灯が点灯。わずか1駅のピストン輸送が朝晩のみに行われるという,全国的にも類例の少ない,和田岬線の日常。6連の通勤列車はかなりの混雑で,沢山の乗客が次から次へと,改札のないホームに吐き出されていった。

 

その2に続く。

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