梟の島

梟の島 -叙情的叙景詩-

-叙情的叙景詩-

名古屋・柳橋中央市場(1):逍遥の末,夜の市場に吸い込まれる。

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夜の市場。 2021.10.07 柳橋中央市場

 


10月7日(木)。岐阜出張の前日である。当初は出張当日の朝に出発する予定だったのだが,急ぎの仕事が予想外のスピードで巻いて片付いてしまった。ならば例のごとく前泊して前夜と当日朝に地方都市を徘徊しようと,急遽荷造りを進め,宿も確保せぬまま東京を発つことにした。出張前日に出歩くのは,何も公私混同に目を眩ませて放浪癖を満たそうとしているだけではなく,東京の通勤ラッシュを避けて移動したいという正当な目的も存在している。今回も通勤時間と重ならぬよう,16時台に出発。静かで快適な新幹線に揺られ,岐阜へと向かった。

19時頃に名古屋に着くと,東海道線のダイヤ乱れの影響で在来線のホームは大混雑だった。目の前の列車は久々に見る寿司詰めの状態で,15分ほど遅れて名古屋駅を出発していった。こんなものに乗る気は毛頭ない。とはいえ,岐阜に向かうには東海道線に乗らねばならない。仕方がないので名古屋で途中下車し,駅の東口を当てもなく散策し,スナップ写真でも撮ることにした。

 

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名古屋の駅前の絢爛な雰囲気は,東京のそれとは明らかに違う。

 

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どちらが好みか。迷わず名古屋と答えよう。

 

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それはないものねだりというよりも,単純に時代感の問題だと思われる。

 

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特に表現的な作風ではないので,淡々と見たままを記録していった。

 

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聳え立つ。

 

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陰翳。

それなりに楽しんではいるのだが,心ここにあらずの状態で撮影している感じが,プロダクトから滲み出てしまっているだろうか。

ここから東に歩いてゆくと,街は寂しげな雰囲気になる。そろそろ折り返して駅に戻ろうかと思った矢先に,気になる建物が姿を現した。

 

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食品センターとは何だろうか。今回は全く予習なし,地図も見ずに散策しており,そもそも筆者は東海地方に関する知識が特に乏しいので,何も分かっていない。

 

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その角を右に曲がるとすぐ,「柳橋中央市場」の文字が目に飛び込んできた。

 

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看板はポップだが,この立地にある市場など,昭和のシブい匂いを漂わせているに決まっている。これはもしや見えざる手に招かれたな。そう感じた。

 

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その感覚は,忽ち確信に変わった。いきなり正面から正々堂々と踏み込んでゆくタイプの人間ではないので,まずは周辺の街を見て回ってから中にお邪魔することにしよう。

 

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さらに少し歩くと,シャッターで封じられた一角があった。夜は歩けないのだろうか。しかし提灯も掲げられているということは,単に今はコロナ禍で営業していないということなのだろうか。

 

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ぼんぼりのような街灯と,色鮮やかな看板が印象的な一角。市場の南端の道になるのだろう。

 

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営業中の店は殆どないが,街灯だけが異様に明るい。

 

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何でも揃う,綜合市場ビル。ここが「名古屋綜合市場」のようだ。

 

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市場の街区をぐるっと回るように歩いてゆく。この辺りは急に薄暗い。

 

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マルナカ食品センターの看板が再び。2階から上は駐車場だろうか。

 

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ここがマルナカ食品センターの裏口のようだ。薄暗い外界のフレームの中に,不思議に明るい夜の街が浮かび上がる。

 

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緑色の床と蛍光灯の光,昭和の配色。満を持して裏口から足を踏み入れる。

 

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無数の発泡スチロールが視界に飛び込んでくる。どうやらここは魚市場らしい。

 

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活魚と共に100年。インパクトのあるフレーズである。調べてみると,柳橋中央市場の成立は1910年と言われているようだ。そしてここマルナカ食品センターの開場は1969年だという。

 

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裏口側を振り返る。昭和の匂いと魚介の臭いが空間に漂っている。

 

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貝類専門店 丸勝水産。

 

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市場の中で営業している居酒屋が何軒かあり,ネクタイを外したサラリーマン達が顔を赤らめていた。

 

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その賑々しい声と営業時間外の市場の静寂が混在する,不思議な空間である。

 

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サイバー感のある青紫色の光に照らされた店舗。

 

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細長い水槽の中で,見慣れない魚が泳いでいる。

 

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かなり多様性に富んでいる。魚にも疎いので困ってしまう。これはアナゴだろうか。

 

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過積載がすぎる…。

 

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扇風機のある風景。

 

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彼方から聞こえる笑い声,閑寂の此方。

 

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このあたりからが中心部だろうか。

 

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見たところ東西に3~4本,また南北にも3~4本ほど通路があるようで,これを網羅的に歩くには少し時間が必要そうだ。素晴らしい被写体との邂逅,引き続き本腰を入れて撮影してゆこう。

 

その2へ続く。

 

 

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