梟の島

梟の島 -叙情的叙景詩-

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五能線キハ40,最後の秋(11):五所川原駅,1日の終わりの列車交換。

f:id:anachro-fukurou:20210329232342j:plain最終列車。 20.10.30 五能線 五所川原駅

 


2020年10月30日(金)。鶴泊~板柳で朝練。午後は鳴沢~鰺ケ沢と驫木追良瀬で2828Dを迎えた。その折り返し・2835Dは,驫木駅発車のストレートと北金ヶ沢の陸橋,鳴沢駅を経由し,板柳駅で交換風景を撮影した。

 

弘前でレンタカーを乗り換える。今度の車はスウィフト。ハンドルが小さくて握りやすい。駅前のロータリーでレーンを誤り一度無駄に一周してしまったが,その後はGoogleナビに従って一路,五所川原へ。339号ではなく「コメ・ロード」なる広域農道に誘導されたのだが,街灯がほぼ無い上に,大雨で路面は完全に濡れていて,対向車のヘッドライトで道路全体が発光しているかのように眩しく,センターラインも左側の白線も全くといっていいほど見えない。過去一番見づらい運転だったといっても過言ではないほど,神経を使う道だった。

さて,実はこの日の撮影はまだ終わっておらず,五所川原での交換風景も仕留めようと計画していた。1939発の両方向の列車を撮ろうと予定していたのだが,思わぬ駅レンタカー営業所渋滞により,五所川原駅到着予定時刻は19時35分頃となっていた。今度は駅入口が西側であることを予め確認し,道を誤ることもなく,予定通りの時間に駅に到着…したのだが,何と駐車スペースがビッシリと車で埋まっていて,業務用車両スペース以外に一切の余地が無かった。流石にこんな場所に停める訳にもいかず,駅周辺を当てずっぽうで走り,何かしらの駐車スペースを探したのだが,すぐには見つからず。駅から150mほど離れたローソンを見つけて駐車場に飛び込んでみたが,この時点で既に時刻は列車の発車時刻となっていた。無念,間に合わず。

しかし実際のところ,そこまで激しく落胆してはいなかった。というのも,21時前にもう一度,五所川原駅での交換風景を拝めることが分かっていたので,もし間に合わなければ次でいいや,という思いがあったからである。先にサンルートホテルにチェックインして荷物を置き,カメラのみを持ってすぐに再出発。どこかしらで簡単に夕食をとろうかとも思ったのだが,手軽な候補が見つからなかった。そうなれば,街並みの撮影だ。この写真はまた別の機会に纏めるとしよう。逍遥しているうちに丁度良い時間になったので,駅へ向かった。

五所川原駅は,19時半頃にあれだけの数の車が停車していたのが嘘のようで,すっかり閑散としており,人っ子一人居なかった。予め入場券を購入して,改札外で少し時間を潰す。

先に入線するのは弘前行の2839Dである。この弘前方面への最終列車は2045頃に入線し,2118発。とんでもない「バカ停」をしながら,鰺ケ沢方面への836Dを待つ列車である。ちょうど入線してきたところで,出場の改札の為に出て来た駅員に,入場券を見せて入場する。

 

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出場する客はほぼ居なかったように記憶している。津軽鉄道線の最終列車は既に終わってしまっているので,JRと跨線橋で繋がっているそのホームはほぼ真っ暗だった。跨線橋の窓にはポスター等がしっかりと固定されてしまっていて,ここから停車中のキハ40を見下ろすことは出来なかった。階段を下りて,ホーム撮りを暫く楽しむ。

 

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鎮座。

 

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乗り鉄の同業者が2人ほど撮影をしていたので,それに混ざりながら,様々な構図を試していった。

 

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終着駅の名前のみを掲げる。

 

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836Dの入線時刻が近づいてくると,駅員がホームまでやって来て,屈伸などをしながら体を動かしていた。

対向列車・836Dは時刻通り,2058頃に入線してきた。

 

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跨線橋への階段の数段目に立つことで,辛うじて両列車の顔を捉えることができた。学生を中心とした乗客がちらほらと下車してゆくが,17時頃の板柳駅の列車の混雑とは全く違う様子で,この列車はとても静かだった。

 

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836Dは1分ほどの停車時間を終え,唸りを上げて鰺ケ沢方面へと走り去っていった。

 

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残り20分弱は,引き続き停車中の2839Dの撮影に試行錯誤。こちらは弘前方面への最終列車である。

 

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ホームの向こう側は,漆黒の闇。

 

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見上げれば満月が,我々を見下ろしていた。

 

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わずかに波打った車体に反射する,蛍光灯の光。

 

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ずらりと並んだ窓の列に,客車列車の名残を感じる。

 

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煤けた顔。幾度となく見てきたが,それでいてなお撮りたくなる愛嬌がある。

 

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視点を極限まで落とせば,風格と威厳が際立つ。

 

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臨場感を大切にしたい。

 

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望遠レンズに付け替えて,かなり距離を取ったホーム撮りも試してゆく。小津安二郎映画にも触発された部分があるかもしれないが,とにかく視点を下げようということで,もはや「礼拝」するかのような体勢で撮影。

 

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間違い探しのようだが,僅かに視点の高さをコントロールするだけで変化がある。

 

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夜の撮影というのは,1枚を撮るための時間が思った以上に長く必要になるもので,気付けばあっという間に発車時刻となっていた。

 

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乗り鉄の同業者たちも列車に戻ったようで,ホームには,車掌と自分の他にはもう誰もいない。

 

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大きな馬のようだ。

 

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時計を確認し,笛を吹鳴。閉扉,発車。

駅員ではなく私が,弘前行の最終列車を見送る格好となった。「また明日からよろしく」と心の中で唱えながら,強く残るディーゼルの煤煙の香りを楽しみつつ,左右に揺れながら小さくなってゆく尾灯を見送った。

 

夜も更けてきてしまったので,コンビニで夕食とアイスとノンアルコールビールを購入。最近は酒に滅法弱くなってしまっていて,翌日に残ったように感じることが増えている。翌朝も早いし,余計な疲労を蓄えたくないので,アルコールは控えた。すぐにシャワーを済ませ,食事,片付けと写真整理をして,23時半前に就眠。明日からの本格的な撮影に備えた。

 

その12(陸奥柳田~北金ヶ沢,朝冷えの一番列車)へ続く。

 

 

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