梟の島

梟の島 -叙情的叙景詩-

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磐越西線撮影旅行(15):急行色・新新潟色,豪雪の上野尻をゆく。

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白の舞台。2020.02.09 磐越西線 野沢~上野尻

 

224Dは,吹雪に紛れていった。 

anachro-fukurou.hatenablog.com

 

野沢駅でその224Dと交換して来る223Dは,急行色の2連,所謂「急急コンビ」だ。224Dとは逆に線路の東側から,先客の間に陣取らせてもらい,やや正面がちのアングルで撮影を試みる。ヨメ氏にはサイド気味のアングルを任せた。時間が無かったので,同じくサイドアングルに構えていたくはね氏に撮影指導を依頼したw

一瞬途切れかけるも,やはり降雪はおさまらず,ついに通過時刻となった。

 

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ヘッドライトが数百メートル先に見えた。集中して,無心で撮影する。

 

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降雪が強すぎると光が遮られるからか,白よりはやや鼠色がかったような景色の中に,急行色はその存在感を十分に発揮してくれた。上野尻方へと去ってゆく列車は,細田新田踏切よりもはるかに手前で,吹雪の中に溶けるように消えてしまった。

 

次の列車で,新津所属のキハ40の走行写真の撮影はいよいよ最後となる。227D,0933上野尻発。1時間半以上の暇を持て余すことになるので,上野尻駅にいったん引き返した。復路は370号線の線路に近い側を並走する旧道のような道を歩く。犬に吠えられる。先月の野沢のエピソードはさておきとして,九州での撮影の際にダルメシアンに吠えられた時のことを思い出す。様々な話題に花を咲かせつつも,今思えば意識はかなり朦朧としていた。駅に到着して,暖を取る。駅の管理を任されているおばあさんは8時から9時の間は不在のようだったが,「BLUE BURNER」を点けさせてもらった。同業者のおじさんが1人,トイレの為にやって来て,少しばかり言葉を交わした。徳沢の大巻橋梁での撮影もやはり雪が厳しかったとか,そんな内容だったように記憶しているが,もはやそれが正しいかどうかも曖昧なほど,身体は絶不調で,意識は飛びかけていた。

227Dの撮影は,当初は上野尻駅進入のS字カーブで試みようかと思っていたのだが,いざ見てみるとホームからカーブまでは随分と遠く,かなりの望遠レンズが必要だった。さらにカーブの手前に枯れたススキが大量に残っており,どうやら絵になりそうにもない。戻ってきた駅のおばあさんに「BLUE BURNER」を点けさせてもらったことを詫びた後,残る体力を振り絞って,227Dのために再び陸橋まで歩くことにした。

もはや無意識状態のまま15分ほど旧道風の道を歩いて陸橋に到着すると,やはり雪…。しかも降雪は,223Dの通過時と殆ど変わらないか,むしろ今の方が強いではないか。線路のちょうど真上のガードレールの上から望遠で「面縦」を試みるが,ファインダーの中には何も見えない。もはや,またもや,ホワイトアウトである。

 

そんな視界の彼方から,ぼんやりとヘッドライトが2つ,見えてきた。

 

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最後の最後に雪でピントを迷い,結果前ピン。

 

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これも人生,これも冬の撮影行か。磐越西線の徒歩鉄は心が折れるものだなあと,最後の最後までとことん感じさせられた,そんな撮影だった。

そして,撤収作業中に吹雪はぴたっと止み,視界がクリアになる。挙句の果てに,ほんのりと陽光まで出てくる始末だ。今が列車の通過時刻ならばどれだけ良かったことか…撮影地の理想状態を最後に見せつけられたために,更に「敗北感」は強まってしまったのだった。

さて,若松へと引き返す列車は快速あがの。上野尻駅は通過してしまうので,野沢まで移動する必要がある。予めくはね氏が呼んでくれたタクシーが,野沢から迎車でやって来た。クラシカルな形のセダンの助手席に乗るのは,かなり久しぶりか,或いはもしかすると初めての体験だったかもしれない。フェンダーミラーがあり,車幅感覚が持ちやすい。自動車も鉄道車両も,或いは建築も,角ばったシェイプがやはり個人的には好きである。野沢には10分ほどの時間の余裕をもって到着した。雪対策のスパッツやザックカバーなどを片付けて,キハ110に乗車した。

 

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この入線時くらいの環境で,陸橋での撮影ができていたら…と,考えざるを得なかった。

快速は1001野沢発,1046会津若松着。節々の痛みと疲労感,頭痛に襲われ,気を失うように寝ていただろうか。気付けば雪の少ない喜多方駅,そして次の瞬間には雪のない会津若松駅に,列車が入線するところだった。

 

その16へ続く。

 

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