梟の島

-追想の為の記録-

磐越西線撮影旅行(2):東北色のキハ40,暁の荻野駅にて。

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雪国の朝。2020.02.08 磐越西線 荻野駅

 

2020年2月8日,未明。一番列車で荻野駅に到着し,キハ40の220Dを待っている。

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ひと月前とは異なり,朝一番,野沢始発の220Dが荻野駅に入線する頃には,空はだいぶ明るくなってきた。とはいえ走行中の列車を撮影できる時間ではないので,ホーム撮りを狙う。実を言うと,急行色の運用が判明してから撮影計画を急遽変更したため,昨晩寝る直前に220Dの存在を思い出し,荻野駅で急遽撮影することに決定したのだった。

駅舎を出て,列車の停止位置を確認する。ホーム上では2人の作業員が雪掻きをちょうど終えたところだった。これが毎朝の日課かと思うと,頭が下がる。尾登駅側のホームの端で待機していると,利田踏切の警報器の赤い光が見えた。程無くして,青白く仄暗い世界の彼方から,黄色く眩いヘッドライトが2つ,姿を現した。

 

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ラッピング車両を先頭に,東北地域本社色只見線車両であるキハ40が荻野駅に入線。先頭側で待つとヘッドライトが眩しすぎることは分かっていたので,後追い側からの撮影だ。

 

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列車到着直前でホームに来た乗客が1人,点景になってくれた。

 

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ちらちらと雪の舞う,この切ない日常の情景。

 

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その日常の立役者だった古参の気動車も,余命がもう1ヶ月少々である。そう思うと,見え方というのは自然と変わってくる。

 

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運転士が閉扉を扱う。乗降客のなかった2両目の側灯が先に消える。

 

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凍てつくプラットフォームに,窓明かりが微かに漏れている。

 

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寂寥の空気感,被写体の宿命や文脈というものは,やはり駅でこそ強く感じられるものである。鉄道撮影は,ホーム撮りに始まり,ホーム撮りに帰結する部分があるように思う。結局,鉄道は人間が使うものであり,人間のドラマの中にあるものなのだ。

 

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余命短き老兵が,ホームを静かに去ってゆく。

朝の一番列車を,複雑に溢れる感情とともに見送った。

 

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その3へ続く。

 

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