夕暮れの新町ビル街。 2021.06.17 福島駅東口
6月17日(木)。現地調査の移動時間では村田町の重伝建を歩き,仕事後は福島への車の返却回送の道中,奥州街道斎川宿,越河宿,貝田宿,藤田宿,桑折宿を巡り,最後は伊達市の天王通りの商店街を訪れた。福島では,中央通り・北裡商店街を歩いた。
▼その1はこちらから。
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中央通りを駅から東に進み,スナックビルが建ち並ぶ一角を抜けると,飲食店の姿はあまり見えなくなるのだが,次の十字路で南側を見ると,昭和臭全開の道が待ち受ける。これこそが今回の福島駅東口の探索の「メインディッシュ」である。
道幅はやや細い。両脇のビルが,奥行方向への印象を強める。
そう,ここは,新町ビル街。
道の両脇に3階建のビルが建つ。どちらも平面的にかなり長い。
圧縮効果を使った構図があまりにも最高すぎる。
鳥政。酒は榮川。ふらっと入りたいな…。
建物の竣工は,おそらく半世紀は確実に遡るだろう。破れた装テンと,提灯が並ぶ。
小料理 小冨士。
10年前はもう少し看板が多かったようなのだが,現存するのはこの2つのみ。
上階の内部も気になる…。
昭和レトロ感の強い街灯は,看板同様,ビルの躯体に据え付けられている。
夕空と「うわさ」。
上階へと登る階段。塗り直されたのか,あまり鄙びた感じはしない。
階段室から更に南へ。
屋根に大量のアンテナを載せ,令和時代を生きる。
南側には現役の店舗が多い。
アイボリーの箱は給湯器だろうか。
街の明かり。
道の西側は一部が駐車場になっているのだが,その南側にはまた同様の意匠のビルが建っている。
道幅に対して背が高く,APS-Cの12mmでも全景を捉えるのに一苦労である。
夕月の下。
いよいよ黄昏が迫る。
日没の刻,イエローはマゼンタへと遷移し,建物の色調もそれに応じて変化する。
ファサードの凹凸が与える陰翳。現代ののっぺりとした建物からは感じられない,自然な美しさである。
これを撮りたかった。
雑然とした要素が整然と並ぶ,これこそが私の理想。黄昏の空気感も叙情的な演出となり,堪らない。
角はペントハウスが載り4階建。2階にもテントが見えるので,もしかすると店舗なのかもしれない。
惜別の一枚。数十メートルの道で満足できるのだから,自分は幸せ者なのだろう。
文化通りから,新町ビルの住居部へと入る廊下が見えた。
背面側を見る。
アジアだ…。
配管と設備が剥き出し。これも雑然とした要素が整然と並ぶ好例である。
ずっと見ていられるし,ずっと撮っていられるくらいだ。
錆びた扉は,哀愁のアンティーク。
周辺とは明らかに雰囲気の異なる新町ビル街。福島を訪れる機会,さらに飲む機会に恵まれた方は,是非訪れてみるとよいだろう。
さて,時系列が前後するのだが,次の記事では福島駅東口のもう1つのメインディッシュ,高徳第5ビルのすぐ傍にある狸小路のアーケード居酒屋街を紹介する。
その3に続く。
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