2020年11月1日(日)。一昨日の出張調査後から続く,秋の五能線を追い求める撮影行も,今日が最終日である。あきた白神,岩館に停車中の列車を撮影し,222Dを東八森~沢目で迎え撃った。
次の2527Dまで少し暇なので,八森駅の階段廊下を見に行く。駅舎からホームまで数十メートルの階段を,古い木造の簡素な架構が覆っているらしいのだ。
これまで何度か五能線を撮影してきたが,八森の街に下りたのはこの時が初めてだった。駅前の通りには,昭和の街並みがそのまま残っていた。駅に着いてみると,駅舎は下調べの通り立派だったが,その脇から伸びる階段は確かに不思議な,類例を見ないものだった。
階段の第一区間の最下部の柱には,「ここのばっけを取らないで下さい」と,ふきのとうを採らぬよう注意書きがされている。
右側の板壁は近年更新されたようである。
上り切ると,階段は180度反対を向く。
細長い廊下状の空間が姿を現す。
屋根はわずかに左に向かって傾斜している。
見下ろしながらの構図も,均整を取るのが意外と難しい。
この階段廊下を抜けて左に折れれば,ホームに到着するのだ。写真の背面側がホームである。
折角なのでここでも三脚を立てて,セルフタイマーで記念撮影。
これがJR東日本の駅の現役施設である。改めてそう考えると,なかなか面白い。
若い同業者が撮影の下見に来ていたので,わざわざ自撮りをしているのが少々恥ずかしかったが,もちろん,旅の端はかき捨て,である。これまたテイク3で納得し,撤収。
29日の喜多方出張調査から数えると,旅は4日目。流石に最終日で疲労が蓄積している。そもそも秋口から,慢性的な体調不良が続いていた(のちに8年ぶりの喘息と判明する)。八森の椿海岸に柱状節理があるというのだが,体力不足によって探訪を諦め,早々に小入川橋梁まで移動して駐車スペースで休息をとる。8時頃,ようやく車から出て,撮影スペースでセッティングを開始した。
今日は小入川橋梁の北東側,海を背に見るアングルである。手前側,小入川沿いの木々は黄色,橙色,褐色に染まっていて,予想以上に美しかった。
曇天の空を映した白い日本海を背景に,色付いた木々を構図の周辺に置いて,白-タラコ-白の3連を捉える。タラコも上手く映えてくれて,天気の割には良い絵に仕上がった。
▼関連記事はこちらから。
▼ 宜しければクリックのご協力をお願い致します。