梟の島

-追想の為の記録-

川崎・亀甲マーケット:八角形平面,木造市場の思い出。

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闇に心柱。 2017.03 亀甲マーケット

 


2017年3月某日。昼前に出発して,川崎を攻略する。

▼小向マーケットはこちらから(2015年,2018年探訪)。


はて,どういう経路で鹿島田駅に向かったか,すっかり失念してしまった。駅からは15分ほど歩く。鹿島田は小向マーケットの探訪時に訪れて以来,2年ぶりだった。4年も経つと記憶のディテールが欠損してゆくものである。詳細に記録しておくことの重要さを感じる。

気を取り直して,ご案内しよう。

 

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まずは「正攻法」で,裏口から入ってゆく。

 

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明るい空間。

 

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番人。

 

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25店舗が入居できるだけの規模,ということか。

 

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現役と思しき居酒屋。人の気配があるので,緊張する。

 

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ここでいきなり3方向に分岐する。下調べの情報を見ても,平面形状が複雑すぎて,まだ実態が把握できていない。

 

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最も明るい外周の通路(1本目の道)から,一度正面側に回ろう。この辺りの景色は単調。

 

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府中街道,正面側の「南口」に至る。

 

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正面入口も2方向に分岐する。向かって右を「中央通り」(2本目),左を「クランク通り」(3本目)とでも呼んでおこうか。

 

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「中央通り」の内部へ切り込むと,灯りは一つもない。晴天の正午の光が辛うじて反射して空間を照らしているが,ディテールは肉眼では見えない。

 

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重苦しい沈黙。

 

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ここまで暗い木造アーケードは初めてだった。今から考えると,2020年に探訪した北九州・昭和町のアーケードと似た感じだが,こちらの方が規模が大きく空間が細長いので,それ以上に暗く感じた。

 

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嘗ての活況は,感じられない。

 

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明順応できないまま,「心柱」と思しき柱を撮る。荘厳な存在感…。

 

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KOKANDO.

 

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剥き出しに。

 

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人の気配は感じられないので,心理的な負荷は無いのだが,なんといってもファインダーの中が真っ黒なので撮影が難しい。もともと電灯任せの閉空間だったのだろうか。

 

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真っ暗闇の中,建物の平面が八角形であることが,「心柱」の柱脚に見て取れることに気付くことができた。自分のカンの良さに暫く悦に入る。

 

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正面側を望む。

 

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続いて,「クランク通り」へ。木製の看板が目印。

 

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ちなみに著者は,歯列矯正をしていた頃,ウナギの小骨が金具と上顎の間に刺さって苦しんだ経験があり,それ以来ウナギはやや苦手である。

 

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錆色の美。この道もなかなか長く見える。クランクの角の居宅から人の気配が感じられるので,踏み込むのに勇気が要る。

 

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しかし褐色は良い。

 

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嘗てこの道には,旨そうな匂いが充満していたのだろう。

 

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川崎,奥が深い。 

 

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じりじりと踏み込んでゆく。精肉店の向こうで,道は折れ曲がる。

 

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意を決してクランクに飛び込むと,角にはこの看板。非常に絵になる。

 

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スイフト氏。

 

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そそくさとコーナーを右に折れ,人家の前を抜ける。シャッターの色が美しいが,デジイチのシャッター音が大きく反響してしまうのが怖かった。

 

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最後に正面口。商店街の雰囲気はファサードからは感じられず,これだけの異世界が展開していることを知らなければ素通りしてしまうような佇まいだった。

 

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トタンの外壁。

 

ここまで紹介してきたが,残念ながら亀甲マーケットは2018年~2019年頃に解体されてしまった。最後の姿を記録することができて良かったが,再訪が叶わないのは残念である。

 

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周辺の街並みもなかなか面白そうだったが,この日は複数個所の「ハシゴ」の計画。次なる目的地へ移動した。

 

西口マーケットへ続く。

 

 

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