褐色の美しい街。 2016.12.30 丸山市場
2016年12月30日(金)。師走の喧騒を飛び出し,横浜へ。保土ヶ谷区・笹山団地の南の笹山中央マートと笹山アーケード商店街を撮影した後は,バスで移動し,磯子区滝頭の丸山市場(丸山日用品市場)にやって来た。
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引き続き市場の中を撮影してゆく。
細長いT字の平面,まもなく突き当たりである。
突き当たりの奥には,褐色の美しい空間があった。
実に素敵な空間である…。
この統一感。
過去のメモ書きを見返してみると,この日は昼食にありつけないまま,ひたすら撮影を続けていたらしい。
鳥喜久は現役の商店。年末らしさが感じられた。
鶏肉屋の向かいは,八百屋だったように記憶している。
細工のある窓。
2つ目の裏口は,パースのよう。
ダクトは外を目指す。
気に入ったのでもう一巡しよう。
美空ひばりの実家として有名な「魚増」のおばさんに軽くヒアリング。裏口を入って右手(この写真の右側)には,乾物屋・おもちゃ屋・パン屋(痕跡の残る宮野商店か),クリーニング屋(看板の出ているところの向かい側),布団屋(わたなべ),編み物屋,小さな八百屋が並んでいたという。
その反対側は,入口からラーメン屋(恐らく現役),中華まん屋,お好み焼き屋,クリーニング屋,布団屋といった形で並んでいたそうだ。
このほか,魚増の向かい側には総菜屋,八百屋,茶屋,魚屋など。奥の隣には金物屋,肉屋,食堂と並んでいたのだという。
沈黙の証人達。
「非常出口」が「非常口」に切り替わるのは何年頃なのだろう。
街も人も,共に年を取る。
突き当たりに店のある構図。
美空ひばりの逝去時,報道が大人数で押し掛けたらしい。緑色のカーペットは,その際のカメラの移動用に敷かれたという。
魚増のおばさんは,淡々とした語り口で色々と教えてくれた。報道やファン,そして私のような見学客らの応対を幾度となく行ってきたのだろう。それがとても印象的であり,またそれと同時に何か突き放されたような気分にもなった。
そして,正月の支度のために店を訪れる来客への対応へと戻っていった。ありがとうございました。どうかお元気で。
2016年,最後の平日。
両腕を伸ばして。
すれ違うのも困難なほどの活況は,遠い日の記憶へ。
冬至を過ぎて間もない時期,気付けば太陽は西に沈もうとしていた。
さて,冬の横浜で夕方を迎えたら,工場を撮りに行かない訳がない。再びバスに乗り,本牧臨海公園を目指した。
本牧工場夜景へ続く。
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