美。 2022.02.05 上野原
2月5日(土)。思い立って昼頃に家を発ち,中央線で県境を越え,上野原へ。駅前から新地道を通り甲州街道に抜け,さらに「お寺道」を歩き福泉寺まで歩いた。
▼その1はこちらから。
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階段を下り,甲州街道の1本北を並走する裏道を,西へ進んでゆく。
スナックの跡だろうか。今は静かな住宅街の中,店の気配は他になく,少し立地が不自然に思えた。
静謐とした住宅街の裏道を歩いてゆくと,突如としてこの建物が現れる。
嘗ての映画館「大正館」である。
1924年の建築。登録有形文化財である。
映写室。
木摺が露出してしまっている。常陸太田で似たような傷み方の建物を見たのもまだ記憶に新しい。
アールのついたこの部分は何だろうか。ずいぶんと窓が小さく感じられる。
隅部の壁は剥げ,痛々しい。
壁にも数多の罅が入る。ベージュ色の奥にピンクが見えている気がするが,塗色の違う時代があったのだろうか。
その隣にも看板建築風の意匠をもつ建物がある。現在は住宅として使われているようだ。
このタイミングで良く晴れてくれた。
それにしてもこの威容よ。
左側からの全貌。
背面は板壁。
残る一面には下屋が付く。この辺りは猫だらけだった。
すぐ裏手の神社。
垣間見る。
陰翳。
正対。
地元の初老の夫婦と挨拶。ご主人の「めずらしいでしょー!」という口振りからは,この建物を誇らしく思っているような響きが感じられ,それが嬉しかった。
道。
西へ進む。
お多福窓風。
道幅は細い。
突き当たりには大豪邸。
甲州街道に戻った。
駐車場など一部は歯抜けになっているが,この辺りが嘗ての中心街だろうか。
人形店。
そういえば昼食を食べていない。
酒饅頭が名物のようなので,入店。
店内。
控え目な暖簾のかかる店。
椅子は車道側に向けてかなり傾いていて,正直座りやすくは無かった。
足を開いて前のめりに座り,道行く車を眺めながら,饅頭を2つ頬張る。素朴な味で美味しかった。これで散策の栄養はひとまず確保できたので,引き続き甲州街道沿いを散策してゆこう。
その3へ続く。
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