梟の島

梟の島 -叙情的叙景詩-

-叙情的叙景詩-

羽越・磐西撮影旅行(11):絶景・笹川流れ「第2俯瞰」を満喫。

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穏やかな冬の海。 2020.01.12 羽越本線 今川~越後寒川

 

その10より。朝の3本を終え,午前の撮影は残り2本。続いては再び越後寒川~今川へと移動する。ついに今日は,れっきとした俯瞰撮影地へと登る。まずは個人的に「第2俯瞰」と呼んでいる,笹川流れの海岸を俯瞰する有名スポットである。県道345号線の陸際の駐車帯に車を停め(ちょうど崖の上の撮影地からはここの車は死角に消える),撮影地の北側の崖の下にある藪とも荒れ地ともつかぬ空間をしばらく進むと,獣道のようなヲタ道が急斜面を上ってゆくので,これを登る。未明の雨により若干滑りやすかったが,問題なく登坂できるレベルである。高低差60mほどの斜面の終盤はかなりの勾配角となり,誰が設置したのか分からないがロープが登場する。これを手で掴みながらラストスパート,よじ登る。ひたすら登ることによる心肺への負荷が大きく,息が上がる。しかし想像以上にスピーディーに高度を稼ぐことができ,10分足らずで登頂成功。ヨメ氏も頑張ってくれた。実は825Dの通過が迫ってきていたので助かった。ここを誤ったルート(南側)からアプローチした6年半前を思い出し,あの時の狂気を懐かしみながら,急いで撮影の準備をする。海の色は今日も絶妙な「日本海グリーン」で,昨日よりも空が明るいからか,比較的鮮やかに見える。この俯瞰スポットの良さは,海と砂浜はもちろん,陸側に写る褐色の斜面と常緑樹たちという「フレーム」であろう。尾根の頂上の定番アングルでヨメ氏と並び,825Dを撮影。バイクが一台,列車を追走してきてしまった。100%思い通りとはならなかったが,許容範囲内である。天気も色調も,冬の日本海らしく,申し分ない。身体を使った撮影ということもあり,満足感はこれまでの撮影とはひと味違った格別なものだった。

 

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続く上り列車・824Dまでの時間は10分程度。蓬莱山を見る上り列車用のアングルは,数々の作例よりも線路際の木々が伸びて来ていたため,いよいよ列車が隠れてしまいそうである。辛うじて2連がしっかりと見えるか,といった「針穴」が残るのみであったので,このアングルをヨメ氏に託す。そして自分は後追いで,下りのアングルを再び狙う。しかし先程の4連と同じアングルでは面白くない。ここで,下調べの時に出て来た,第2俯瞰のマイナーチェンジ構図が頭に浮かぶ。定番の角度よりも少し線路に向かって左側から,すなわち側面側から撮影した作例があったのだ。列車通過まで5分を切っていたが,意を決してこれを探す。細い尾根道を,ロープの急坂の所まで一度下り,再び逆方向に尾根を辿ってゆくと,先程のアングルから1分ほどで,海側に視界が確保できる場所を見つけた。大きく移動した感じは全くしないのだが,印象はがらりと変わる。俯瞰に限らず撮影の面白いところで,鉄道撮影はやはり針穴が多いのだが,カメラの基本は自分が動くことなのだと改めて感じる。

最後の調整をしていると,遠くからジョイント音が聞こえてきた。林の間から辛うじて蓬莱山の横のポータルのあたりが覗けたのでこれを見ていると,温厚な表情のキハが姿を現した。ヨメ氏よ頼んだぞ,と念じ,車よ来るなと更に強く念じて,自分のアングルに集中する。今度は構図の右下の崖から,強い存在感を放つディーゼルの2連が登場。無心にシャッターを切る。

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笹川の冬。 2020.01.12 羽越本線 越後寒川~今川

 

メイン構図から,少し望遠に切り替え,第一俯瞰の登り口横のトンネルに消えてゆくまでの間で,更に拾える構図を2種類狙う。

 

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絶景区間。 2020.01.12 羽越本線 越後寒川~今川

 

後追いのほうが,こういった副産物の自由度が高いかもしれない。最後のオマケ構図はやや露出オーバーだったが,白飛びまでは行かず補正範囲内。どれも成功である。

 

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隧道に消えてゆく。 2020.01.12 羽越本線 越後寒川~今川

 

ヨメ氏と元の頂上で合流すると,事前に固めていたアングルでは手前の枝が列車に被ることを事前に気付き,若干動くことで針穴狙いに成功したとの報告。すばらしい成長ぶりである。

 

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蓬莱山の傍らをゆく。 2020.01.12 羽越本線 越後寒川~今川

 

これにて午前の撮影はすべて終了。再び10分ほどかけて急坂を下り,道路のレベルに戻る。ようやく人間世界に帰ってきた,といった感じがした。

 

その12へ続く。

 

▼旅程1日目はこちらから。

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