2017年2月24日,研究室の所用で富岡へ。昼の市街地を散策し,所用を終えると,すっかり夜になっていた。高崎に戻り,信越本線に乗り換え。磯部駅から夜道を歩き,信越化学工業・磯部工場の夜景撮影にやって来た。
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磯部工場を後にし,磯部駅から信越本線で安中駅へと向かう。今宵の「後半戦」は,東邦亜鉛安中精錬所の工場夜景の撮影だ。駅の構内の跨線橋の窓越しに撮影できる,お手軽夜景スポットにやって来た。
斜面に沿って建てられた,東邦亜鉛安中精錬所。
左側を見て「副産物」から撮影してゆく。蒸気の向こうで,樹木が風に揺れる。
妙に明るい一角。生命体のようである。
このパイプはまるで蚕のよう。そういえばここは群馬だw
TOHO ZINC.
そして「鬼岩城」にレンズを向ける。
構図として最高だ。
ところで,PENTAX DA 60-250mm F4EDは解像力のある素晴らしいレンズなのだが,強い光源のある逆光のシチュエーションに弱く,ゴーストが大変だ。残念ながら工場夜景にはあまり向いていない。
この工場は,1980年代まで継続した排煙・廃液(カドミウム)による公害で悪名高い。最終的には住民へ賠償金が支払われるも,時間は掛かりすぎた。
文脈的に考えれば,純粋に楽しむことは許されない被写体である。光もあれば,影もある。恐らく,街を構成する殆どの要素が,須らくそのような二面性を持つといって良いだろう。
それでも,今こうして目の前に鎮座する姿は,やはり絵になってしまう…。
ポリカ板で出来た外壁・屋根を透過する光。
鬼岩城の右側も,非常に美しい。
急斜面に建設されているのは,鉱山系の施設と似ている。
腰高の構造体。
最後に全容。キットレンズの6本光芒も悪くない。
工場夜景は1枚あたりの撮影時間が長いので,気付けばもう22時である。これにて撮影を終了。信越本線で高崎に出た後は,高崎線の鈍行で3時間かけて帰宅した。こういったところで新幹線代をケチるあたり,まだ当時は学生だったんだなと振り返ってみて感じる。この先の人生で,高崎から赤羽まで鈍行で移動することは恐らくもう無いのだろう…。
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