梟の島

梟の島 -叙情的叙景詩-

-叙情的叙景詩-

北九州工場夜景(3):奥洞海にて,東海カーボン・三菱ケミカルを撮影。

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大煙突のある夜景。 2016.08.25 三菱ケミカル

 


2016年8月25日(木)。建築学会大会を中座し,戸畑でレンタカーを調達。工場夜景の撮影を試みる。小倉の延命寺臨海公園で新日鐵住金八幡製鉄所の夕景を撮影し,夜の帳が完全に下りてから,JNCマテリアル戸畑工場,九州電力新小倉発電所などを撮影してきた。

▼その1はこちらから。

anachro-fukurou.hatenablog.com

さて,洞海湾の北側に回り込み,奥洞海付近で撮影を続けよう。

 

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奥洞海駅の西から洞海湾方面へ南下し,ボートレース場の南岸の道を東へと進む。この道はやがて船元建設工業のプラントで行き止まりになるのだが,その少し手前が撮影地点である。一帯は完全に工業地帯で人家は無く,人の気配が全く感じられない。心細い思いで車を降りると,北側の対岸にへばりつくような中規模のプラントが目映い光を放っているのが見えた。

 

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東海カーボン・九州若松工場である。

 

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増築を繰り返したかのようなゴタゴタ感は,バラック系の建物に通ずる美しさがある。

 

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巨大な缶のように並ぶタンクたち。

 

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背景に住宅街が薄らと映り込んでくる面白さがある。

 

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特に左上の発光体が美しい。

 

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撮影地点と被写体の距離があるので,臨場感はあまり感じられないのだが,ファインダー越しに見るプラントは迫力があった。

続いては,洞海湾に面した南岸の道路へ移動。するとこの道は,街灯が全く無いばかりでなく,周辺は資材置き場ばかりで操業中のプラントも無く,東海カーボン側の道とは比べものにならないほどの暗さだった。この記事を編集している2021年までの間にも夜景の撮影は幾度となく経験してきたが,その中でも屈指の暗さだったように記憶している。真っ黒い巨大なトレーラーが1台,ハザードランプも灯さずに路駐していた。ドライバーはエンジンを掛けたままカーテンを引き,冷房のみを付けて仮眠を取っているらしい。そのトレーラーの100mほど前に車を停め,少し怯えながら対岸の撮影を開始する。

 

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三菱化学(現・三菱ケミカル)のプラントを遠望する。

 

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大煙突の足元にへばりつく。

 

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夏の夜。

時折振り返ると,先程よりもトレーラーが少しこちらに近付いてきているように錯覚して,もう怖いのなんの。尤も,人里離れた非日常空間に身を置くという合法のスリルこそが,工場夜景の撮影の持つ中毒性の一つの構成要素でもあるのだが。

 

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3本の大煙突が並ぶさまは迫力があって素晴らしい。湾に面した道を少しずつ移動しながら撮影してゆく。

 

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煙突のせいでスケール感が狂ってしまうのだが,足元に寄生しているような群プラントも,実はかなりの大きさである。

 

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明暗。

 

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この日巡って来た北九州の工場夜景の撮影地点は,全体的にプラントとの距離が遠かった。この場所もざっと500mほどの距離があり,煙突の足元のプラントのディテールを撮影するには,APS-Cで300mm以上のレンズが必要だった。無風でなければ撮影は難しそうだ。

 

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それだけの距離がありながらも,保安灯が異常なまでに明るかったため,撮影は難しかった。現在の機材と技術があれば,もう少しまともに撮る事ができるだろうか。

既に時刻は24時50分。これにて7時間を超える撮影を終え,小倉へ戻る。このように夜が遅くなることが分かり切っていたので,この日はホテルを取っていなかった。旦過市場の深夜の様子を少しだけ撮影し,深夜2時半頃に近くの漫画喫茶に入ると,フラットシートは満席だった。リクライニング席で一夜明かすことになったのは想定外だったが,翌朝10時近くまで眠り,十分に体力を回復することができた。こうして振り返ってみると,5年前の行動計画や感性は,今と比べて随分と若々しいものである。

 

 

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