梟の島

-追想の為の記録-

磐越西線撮影旅行(8):ふれあいランド高郷で小休憩,温泉俯瞰は撃沈。

2020年2月8日,磐越西線・キハ40の撮影。荻野駅を去る急行色を見送った。

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本日のメインとなる朝の撮影を終えたが,まだ9時前である。しばらく荻野駅で休憩しつつ,暖を取る。簡易委託で駅に務めるおばさんは,次の列車までの小一時間は駅から離れる。我々が出発する時に消してくれればよいと,ストーブを点けたままにしておいてくれた。

ここで連写の整理などをする。この後は,ふれあいランド高郷で温泉に浸かり,昼食をとり,午後の列車で温泉俯瞰を試みるという,のんびりとしたプランだ。荻野駅から高郷への送迎は,前日までに予約しないといけないらしく,残念ながら対応してくれなかった。ホームページには無い情報だった。体力が回復したので,10時頃に徒歩で出発。道中でタクシーを呼ぶか否か判断することにした。

駅から1キロほど歩くと阿賀川に沿う道に出る。ここからは,漕艇場の横を歩いてゆく。緑がかった銀世界。この零下の中,ボートを漕ぐ人がちらほら居る。それを歩いて眺める者は居る筈もない。先月乗った快速あがののキハ110が後方からやってきた。道路よりも数メートル高い崖沿いを走る車両に手を振ると,車内の乗客が振り返してくれるのが見え,少し嬉しかった。

 

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淡々と歩き続けていると,目印となるものが無いので,切れ目がない。線路と道路がクロスして,残り2kmほど。まだ体力的な余裕を感じられたので,このまま徒歩で向かうことにした。暫くすると道路は阿賀川から離れ,登坂が始まる。ふれあいランドへの最短ルートは,除雪がされていない区間があり,ここで一気に体力を消耗する。雪道は心肺に来る。再び除雪された舗装道路に合流し,ぐいぐいと登坂してゆく。ラッセルで除雪された道が最も滑りやすいもので,登坂中にヨメ氏が転倒。本日4回目で,流石に不安になる。そこから更に10分ほど歩き,ようやく,ようやく,ふれあいランド高郷が見えてきた。建物入口が敷地の入口とは逆側にあり,しかも敷地が広いので,建物が見えてから更に徒歩2~3分の距離があり,心が辛い。温泉俯瞰のアングルは,敷地入口から施設の入口に向かう道をまっすぐ上った先にあるようだ。先人のレポートを読むに,アクセスは容易なようなので,下見はせず,施設へと入館した。

まずは早めの昼食だ。ダムカレーとかき揚げそばを注文し,まだ午前中だがビールを飲む。想像以上の人数の先客が,座敷に陣取って飲み食いしていて驚いた。公民館のような機能を果たしているのだろうか。テレビでは実家付近の街を特集しており,何も旅先でよりにもよって知った街の景色を見なくたってよいではないか…と思う。

程無くして出来上がったかき揚げそばは美味。

 

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ダムカレーは,焼き野菜と,漕艇場のボートを表しているというかっぱえびせんが印象的で,これまた美味だった。ぺろりと平らげた。 

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少し食休みしてから,温泉に浸かる。朝からの長距離歩行の疲労を癒やした。脱衣場で会話していた地元のおじいさんとおじさんの会話が,びっくりするほど聞き取れず,冗談抜きで外国人かと思った。少しだけ露天風呂にもトライしたが,外は依然として零下であり,更に風が強く,たちまち頭が冷え始めたので3分で撤退した。風呂からあがり,ヨメ氏と再び合流。多くの老人客が,座敷で横になって寝ている。なかなかインパクトのある光景だった…。

 

12時50分まで少し時間を潰して,いざ温泉俯瞰へ出発する。地形図やgoogleマップには道は示されていないのだが,施設の北側に,西に向けて登ってゆく急坂があるので,これをひたすら上がる。轍はあるのだが,雪はそこそこ深い。滑らぬように注意しながら歩を進めると,道は北西に進んだのち南西へと向きを変える。そこからほぼ平坦になり,しばらく先に進むと,雷神山の登山道などと書かれた幟が一本見えてきて,その手前に,西に視野が開ける場所がある。ここが撮影地だ。展望スポットなのか,ベンチまで丁寧に整備されている。ベンチには15cmほど積雪があったが,端の部分だけ人為的に雪が落とされていた。昨日もしくは今朝,先客が来たのだろう。この撮影地は完全に尾根道の上にあるので,尾登側からの斜面に沿って,風に乗って,下から雪が吹き付ける。視界は,無い。15分ほど待っていると雪が止み,俯瞰アングルとなる釜ノ脇橋梁まで見えてきた。このまま持ってくれ,という願いは虚しく,232Dの通過の10分前から吹雪となった。大声で叫ぶが,何にも見えない。通過時刻になった。遠い視界の中に霞む釜ノ脇橋梁の中で,微かに何かが動いている。結果,それが232Dだった。ヘッドライトすら見えないとは,そんなにこの吹雪は強いのか。手前側の撮影区間に列車が差し掛かっているらしい。ピントが合わない。どうにか撮影をするが,ほぼ何も写らず。完全なる撃沈だった。

 

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その9へ続く。

 

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