2020年7月13日。浜松出張で,実に久々の外出である。前日が日曜日だったので,富士の工場夜景を堪能。イハラニッケイ化学工業の夕景・夜景を撮影し,ポリプラスチックス富士工場,蓼原大橋の大興製紙を巡った。
富士の東横インで一泊し,翌朝は岳南電車を撮るべく,岳南原田駅へと向かった。
岳南電車は,2010年の3月末に訪れて以来,実に10年ぶりである。気付けば貨物扱いは終了し,会社名も「岳南鉄道」から「岳南電車」に変わった。
今にも雨が降り出しそうな,薄暗い曇天の朝。駅西側の踏切で待っていると,朱色の顔の7000形,モハ7003がやって来た。
井の頭線の5両化に際し,73年に落成したデハ3102は,97年に岳南鉄道へ譲渡され,モハ7003となった。「余生」と思われた富士での人生が,東京時代を上回ろうとしている。
ほぼ正対。長老は今も健在で,ひと安心である。しかし兄貴分であるモハ7002は,2年前に引退してしまったようだ。
モハ7003に5年遅れて岳南にやって来た,2両編成の8000形。日本製紙富士工場(吉永製造部)を背に,岳南原田駅へ入線してきた。
こちらはヘッドライトが灯っている。平日の朝は3編成がフル稼働。
緑のカラーリングもサマになる。
平日の朝8時の日常を,ホームの端から垣間見る。
乗客を拾い,吉原に向けて旅立つ。
再び単線区間へと走り去っていった。
少し待つと次はモハ7001が下ってきた。こちらもヘッドライトを灯していた。客を1人,ホームに吐き出す。
モハ7001は,デハ3103として1972年に誕生。井の頭線の急行を思わせる紅白の方向幕…風ののシールが貼られている。この水色のカラーリングを見ると,通学で利用した井の頭線の3715Fの記憶が蘇る…。
工場×鉄道,一石二鳥の名アングルへ。
単線区間に戻り,製紙工場の裾野をゆく。
いつかまた逢いに来よう。
そしていつか,上毛,北陸,松本,伊予の兄弟にも会いに行かなければならないなと思った。
春日製紙の朝へ続く。
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