2018年8月8日(火)。五能線撮影2日目。能代から北上し,各地の撮影地を巡ってきた。急遽翌日との旅程を入れ替え,追良瀬~驫木の俯瞰撮影地で「死闘」。深浦~広戸間の神社俯瞰の後,昼食をとり,同じく広戸~深浦の岩場で決死の俯瞰撮影を行った。
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さて,無事に地面まで戻ってきたが,これで終わらないのがこの撮影行のハードなところである。先程撮影した2828Dの折り返し,2835Dをみすみすやり過ごす訳にはいかない。地面に戻った後,まず一人で本気のダッシュをして車へと戻る。続いて,撮影地への小道と大間越街道が分岐するところで,小走りでやってきてくれたヨメ氏を拾い,一路北へ。おそらく行合崎での撮影は間に合わないと判断し,少しでも列車に対して先回りすべく,驫木駅手前の撮影地まで移動。追良瀬バイパスに入らず,大間越街道の細い本線をずっと進み,撮影地には数分の余裕をもって到着した。後追いであはるが,光線は良い。息を落ち着けて,撮影に集中する。
青と緑の美しい画面に,キハ40の秋田色がおさまる。鋼鉄車は点景として最高である。
陽は徐々に傾き,影が濃く,色は穏やかになってきた。
安寧の時が流れていた。
驫木駅に,しばし停車。改めてみると,現実離れしている,すごい絵だ…。
驫木を発ち,ひたすらに真っ直ぐ進む列車は,昨朝に訪れたカーブ付近を音もなくしずしずと通過してゆく。
撮影地点から列車まで,1km以上離れている。とてものんびりと,ゆっくりと動いて見えた。
この小さな岬を越えれば,風合瀬はさほど遠くない。静かに消えてゆく列車を,最後まで見送った。
さて,ハードな撮影もようやく一段落である。ここから一気に西を目指し,深浦を超え,黄金崎の不老ぶ死温泉に移動した。どこかで海に入れないか検討したが,岡崎海岸はずいぶんと整備されていてあまり面白くなさそうだし,他には海水浴場は存在しないようだった。黄金崎の,不老ふ死温泉の少し深浦寄りの海岸線は可能性があるかもしれないということで,ここを覗いてみたが,岩が鋭く,裸足では痛すぎるので断念した。
折角だから入りたかったのだが…しかし海に接近すると波は荒くて高かった。これは危険。流石は日本海である。迂闊な事は出来ない。
という事で,ゆっくりと不老ふ死温泉に浸かる。海際の有名な露天風呂は,残念ながら既に宿泊者専用の時間になっていたので,内風呂のみ利用した。驫木の俯瞰での藪漕ぎや,行合崎手前の岩登りの疲労をここで一気に取り去る。湯は鉄分の匂いが強烈で,茶褐色。内風呂ではあったが,ガラス越しに日本海を眺めつつ,2日連続で太陽を浴びながらの入浴。贅沢な時間の使い方であるが,それが良い。何度か湯船を出入りして,風呂上がりにはコーヒー牛乳で身体を冷やした。
温泉のすぐ傍にあるが,恐らく殆どの人が訪れないであろう,艫作埼(へなしざき)灯台にも「挨拶」をした。
きっと灯台も「よく来てくれたねえ」と喜んでくれたのではなかろうか,などと妄想。この道中,常にそうだったのだが,灯台というものに何かしらの人格を与えたくなるのは何故なのだろう。車から降りて写真を撮影した後,狭いスペースで車を切り返し,五能線全通の記念碑を横目に見ながら,本日最後の撮影のため再び東へと移動を開始した。
その16へ続く。
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