梟の島

梟の島 -叙情的叙景詩-

-叙情的叙景詩-

盛夏の五能線撮影(16):深浦・行合崎,キハ40の黄昏ギラリ。

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黄昏ギラリ。 18.08.08 五能線 広戸~深浦
 

2018年8月8日(火)。五能線撮影2日目もいよいよ最終盤。広戸~深浦の神社俯瞰に続き,岩場での決死の俯瞰撮影,驫木駅手前での昼下がりの撮影を行った。その後は,不老ふ死温泉で撮影の疲れを癒した。

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本日最後の2830Dの撮影は,当初の予定では驫木駅発車のアングルを計画していたのだが,先程これを消化してしまったことに後から気付く。日没が近いため,太陽が雲に消えぬよう,早い時間で仕留めることを考え,驫木のアングルをパズル的に導き出していたのだが,これを失念していた。

この日,朝からずっと陽光には恵まれており,夕方になっても水平線付近に雲は少なかった。そこで奇跡に賭けつつ,陽光がなくとも絵的に美しいことは間違いないので,広戸~深浦間,行合崎の東側眺望のアングルを選択した。これはもともと五能線撮影2日目の日中に訪問することを計画していた場所であるので,結果的に当初2日目のアングルを入れ替えて全て実行することになった。

行合崎のキャンプ場に上がる階段の下に車を止め,キャンプ場の客に挨拶。岩場方向の階段ではなく,そのまま崎に向けて岩の上を歩いてゆく。

 

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西側はこのように,浅い陽光に色濃く照らされていた。

東側,西側と眺望できる場所を発見したころで,気付けば列車が驫木方面から姿を現す時間になっていた。慌てて東側眺望スポットに走り,カメラを構えると,塩見崎から姿を現しS字カーブに身をくねらせた2830Dは,ほぼ真横からの太陽光によって,ギラリと輝いた(記事最上部の写真)。

 

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まさか,遠路はるばる青森県でギラリに立ち会えるとは…しかも,日没10分前である。奇跡的な瞬間に思わず嘆息が漏れた。

 

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列車はゆっくりゆっくりとこちらに接近してくる。その間も絶命する寸前の太陽光は列車そして舞台を弱々しく照らしてくれた。

 

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追良瀬の巨岩も海の水面も,複雑な色彩を呈し,まるで額縁の無い海景画を眺めているかのようだった。

 

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追良瀬を出発した列車の前照灯が,沈みゆく太陽と向き合う。

 

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奇跡の夕べ。

 

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乗客も運転士も,そしてキハ40自身も,この刹那の夕景を喜んでいるだろうか。

 

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あまりの興奮に,撮影しながらも叫びが止まらなかった。

 

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列車はようやく近くまでやって来た。太陽は今にも水平線に溶けようとしていた。

 

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そしてちょうど行合崎の付け根の部分通過してゆく間に,西側の眺望ポイントまで猛ダッシュして,レンズを交換してギリギリでこちら側も撮影。深浦へと駆けてゆく列車を見送った。

まさか日没数分前の列車にまで陽光があるとは思ってもみなかった。奇跡の連発であった。

そして北西の海を見遣ると太陽はもう水平線に溶け始めていた。太陽を追って岬の先端まで歩いてゆく間にも。みるみる太陽は真円から姿を変え,あっという間に半円よりも小さくなってしまった。一日を通して景色を,列車を照らし続けてくれたことへの感謝を叫び,記念撮影を含め数枚シャッターを切ろうかという時には,太陽は足早に沈み切ってしまった。さようなら…!完全に水平線に消える太陽を,真夏に,しかも曇天予報の日に見られるとは。信じられない体験であった。

 

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夏の残照は肉眼で見る以上に強いようで,太陽が去った後も一帯の写真を肉眼で見るようなコントラストでは撮影できなかったのも印象的であった。記念撮影を数枚撮影。残照のある方向を背にした撮影では,太陽が無いにも関わらずシルエット写真となった。車に戻る頃,特に東側の空がみるみる暗くなってゆき,星もちらほらと見え始めていた。真夏のブルーモーメント,西の空がまだ焼け残る中,ペンション深浦まで車を運び,19時半すぎにチェックインした。

宿はやや古めの佇まい。部屋の鍵の施錠がやや難解で苦戦したが,内鍵を押してからドアを閉めると施錠され,外からは鍵で開ける,というシステム。食堂に下りると,前評判通りの豪勢な料理がずらりと並んでいた。

 

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ちょうど時間を合わせて揚げてくれた大きなエビフライ2尾をアツアツのうちに頂く。疲れた体に,クラシカルな味のボリューミーな食事が染みわたる。魚介から肉類まで盛り沢山で,大変美味しく頂いた。

食事の後,お風呂は小さめの家族風呂。今日も貸切で使わせて頂けたのはラッキーであった。さすがに写真の枚数が嵩みすぎており,整理に時間を要し,就寝時間は23時半を回ってしまった。ベッドに大量に落ちてくる小さな羽アリと闘いながらの夜であった。

 

その17へ続く。

 

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