梟の島

梟の島 -叙情的叙景詩-

-叙情的叙景詩-

五能線キハ40,最後の秋(17):快速列車,驫木の海岸線をゆく。

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秋晴れの海岸線。 20.10.31 五能線 驫木追良瀬

 


2020年10月31日(土),秋の五能線を追い求める撮影行の2日目。早朝から陸奥柳田~越水の「山線」区間で,数々の列車を捉えてきた。 

▼一番列車520Dはこちらから。

 

北金ヶ沢から驫木への道中,時間に余裕があるので,千畳敷の駐車場に車を停め,トイレに寄るついでに海辺に出てみた。

 

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はじめは曇っていたのだが,まるでカメラを構えた自分へのサービスかのようなタイミングで,太陽が出た。

 

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すると,海も奇岩も,たちまち見違えるように色鮮やかになった。

 

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ちょうど鉄道撮影にも追われない,安寧のひと時。紺に近い,深い青色を呈した秋の海の穏やかさを見て,何かが弛緩してゆくような,溶け出してゆくような感覚だった。陳腐な表現にはなるが,心が洗われるとはこういう事か。

 

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秋とは,夏の圧倒的な外力の強さと,冬の緊張の狭間にある,弛緩の季節なのだ。その隙のような部分にこそ,愁いや儚さが宿り,それを感じる者に優しく寄り添ってくれる。紅葉・黄葉を求めて,つい山へと目を向けがちだったのだが,秋の海もまたこの独特の季節感を纏い,優しく緩んだ微笑を浮かべながら心に寄り添ってくれた。忙しない日常の中,そして忙しない鉄道撮影の狭間に,短時間ではあるが,景色そして季節そのものとの有意義な対話ができたことを嬉しく思う。最後は三脚を立てて,セルフタイマーで記念撮影。折角なので12秒を存分に使って,ダイナミックな構図で撮ってみた。テイク3でようやく納得し,再び西へと車を走らせた。

 

次の撮影対象は,快速列車・3524D。まだ撮影アングルを具体的に確定していなかったので,まずは驫木駅を偵察する。 

 

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いつ見ても,どんな景色でも絵になる小駅。

駅で快速列車の通過を見送るという案も真剣に考えたのだが,結局は追良瀬側の坂の上から,海を左に,駅を右に見るアングルを選択した。その後,駅には人が来ていたようだったので,単独での撮影を好む自分にとって,この選択は大正解だった。

 

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1日1本の快速列車は,風合瀬側のトンネルから飛び出してきた。 

 

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青よりは緑に近い,秋の海。その縁をなぞるようにして,線路は続く。

 

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白波の彼方を,2連のキハ40がトコトコと走る。

 

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望遠で圧縮しているので,列車はまだ1km以上も先に居る。

 

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右カーブを曲がると,まだ9時すぎだが,計算通り列車の正面には光が回った。

 

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長いストレートをひた走る。時折,波が砕ける。

 

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停まってやればいいものを,驫木駅を通過する。


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ファインダーの中で,列車はゆっくりゆっくりと進んで,こちらに向かってくる。

 

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この景色のスケールの雄大さこそが,五能線の魅力。

 

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ようやく接近してきたキハ40と,はっきりと目が合った。

 

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カメラをk-3からk-5に持ち替え,もう一度右カーブを曲がってきた列車を広角で撮影する。

 

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とうとう眼下を通過してゆく。最後はその姿を肉眼で見送った。

秋の海,そして秋の枯野。まだ柔らかな朝9時の陽光。この構図ならではの秋らしさが存分に引き出せたように思う。

 

その18(風合瀬~大戸瀬,S字の海岸線を俯瞰)へ続く。

 

 

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