嘗ての道。 2022.12.10 浜行川
12月10日(土)。3ヶ月ぶりの同行で,千葉・勝浦へ。まずは行川アイランドから浜行川港へと歩いた。
▼その1はこちらから。
anachro-fukurou.hatenablog.com
引き続き浜行川を歩く。
地元の方に猫ちゃんの名前を聞いたら,「アカと呼んでいる」と仰っていたように記憶している。先日,中野重治を読んでいたら「アカ」という猫が出て来て,ふとこの子のことを思い出した。
紙を折り曲げたような,立体的な十字路,
青い自転車。
ガードレールと影。
ここは勝浦と鴨川の境界。
この道,とても素敵な造形美を持っている。
振り返る。
木製電柱に祠。
裏道感が薄れてきた。
国道に戻って来た。
緑のバケツ,色違いで昔同じものを持っていたと思う。急に記憶の引き出しが開いて驚いた。
ここから一気に西へ歩く。
国道を外れる。
梟の眼がライトになっている。「室」は残っているが,彼の右目には何と書かれていたのだろう。
ホテル自体は閉業して久しい雰囲気。
藪に辛うじて覆われていない道をゆく。
少し進むと,舗装面が見えてくる。
こういう,人の気配があるようで無い道というのが,最近どうにも好きである。
更に進むと,おせんころがしの供養塔に辿り着いた。
来た道を振り返る。
崖。この高さに軽く眩暈がする。
白の崖。
冬の望洋。
眼下に広がる無辺の海を眺め,己の生を強く感じた気がした。
大沢の漁港が辛うじて見える。
白い斜面。
冬の色。
釣り人はどうやってあの場所に降り立ったのだろう。
嘗ての道は,軽装では歩けないほどの藪に覆われている。正直いけるんじゃないかと思っていたのだが,全くもって無理だった。
堅い雑草で指に小さな切り傷を負ったので,決して無理はすべからず。
それにしても,房総から眺める冬の太平洋とはこんな表情なのかと,良い方向に期待を裏切ってくれた感じがした。
冬も緑が残る植生だろう。
再出発。
128号線ではなく,その北側にある旧道のトンネルへ向かう。
おせんころがしでも128号でもない,もう一つの道だ。
まっすぐ伸びる隧道を,光を目指して歩いてゆく。
その3に続く。
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