昼下がり。 2022.12.10 大沢
12月10日(土)。3ヶ月ぶりの同行で,千葉・勝浦へ。行川アイランドから浜行川港,おせんころがし,大沢の集落を訪れた。
▼その1はこちらから。
anachro-fukurou.hatenablog.com
大沢の漁港を発つ。
イソヒヨドリの撮影タイム。
折角なので60-250を装着して撮影。
良い場所で暫くポーズを決めてくれていたので,気付けば7~8分,撮影に費やしたようだった。
おせんころがしを遠望する。
そうと知らなければ,其処に道があるようには見えない。
エメラルドの海。
昼下がり。
一瞬,雲に翳って色を失ったが,再び鮮やかな陽光が冬色の景色を染めた。
確かに道が見えるが,両端の藪の深さもまた良く見て取れる。恐らくもう,歩くことは出来ないのだろう。
さて,大沢を発ち,小湊へと向かう。
海岸線沿い,伊南房州通往還を歩く。
落石中位の標識の黄色が,景色のアクセントカラーになる。
さらば大沢,おせんころがし。
12月だが,紋白蝶が飛んでいた。ウグイスの声も聞こえた。
房総の初冬は,東京とも全く質の異なるもののようである。
色の無い景色に心が落ち着く。
影。
光。
断崖。
気付けば勝浦市大沢から,鴨川市小湊に入ったようだ。
所々に車が停められていて,その近くには入江に下る獣道がある。釣り人の執念はなかなか凄いものを感じる。
隧道が姿を現す。
冷たい風が向こうから流れてくる。
反対側のポータルは四角いのだろうか…?暗くて良く見えなかったが,徐々に輪郭が露わになって来る。
最後にロックシェッドが取り付いていた。
振り返る。
しかしまあ,驚いた。つい先程まで,海を見下ろす褐色の乾いた道を歩いていたのに,トンネルを一つ抜けただけで,森を抜ける緑の湿った道になるとは,予想だにしなかった。
紅葉する木が無いからか,何だか季節感のない道でもあった。
土産物屋だろうか。人里離れた場所にぽつんと構造物が表れて不思議だった。
裏面に回ると完全に崩落していた。
その彼方で動く気配を感じ,背筋に戦慄が走った。鹿だった。足に巻き付いていたロープのようなものは,恐らく罠なのだろう。無知の状態で安易に近寄る事もできず,ただその大きな目を眺めるしかできなかった。
更に歩くと,人里へ。
緑の侵蝕。
小湊の集落。
角熊製菓,鯛せんべい製造直売店とある。
生憎,営業はされていないように見えたのだが,しかし実は工場の裏手の窓越しに,地元の方と工場の方が談笑していたのだった。話し掛けて頂き,その流れで工場の中を見せて頂く事が出来た。
型。こんなにも綺麗な金属光沢があるとは驚いた。
焼いた後,この竹に載せてカーブをつけるのだという。
有り難いことに試食までさせていただいた。味も良く触感も好みで,とても美味だった。この後,正しい方法でお土産も購入。良い記憶になった。
工場の方と談笑されていたのは,すぐ近く駐車場の管理をされている方だった。分け隔てなく人に対して親切な方という印象が,話の内容からも,佇まいや言葉からも感じられたし,その後お茶まで頂いてしまった(2Lペットボトルから手持ちの500mlに移してもらうという素敵な方法だった)。そして何より御年90歳というから大いに驚いた。
この日に出会った方々はみな矍鑠としていて,非常にオープン・マインドな印象を受けた。気候と人の気質はやはり近くなるのかもしれないなと,ありきたりな感想を抱いたのだった。
その5に続く。
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