梟の島

梟の島 -叙情的叙景詩-

-叙情的叙景詩-

湖東三山:西明寺,紅葉真っ盛りの古刹で国宝2棟を味わう。

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国宝三重塔,清秋。 2019.11.24 甲良・西明寺

 

11/24(日),天気は曇り。旅先にしてはのんびりと,7時前に起床。東横インの朝食を平らげ,8時にチェックアウトし,米原駅前でレンタカーを調達する。今日はデミオ,昨日のパッソから車幅が少々広がった。

運転時間30分ほどで,湖東三山の最北,西明寺に到着。紅葉のピークシーズンなので,駐車場の入口に誘導員が居り,完全な観光客対応仕様となっていた。名神高速に掛かる離合不能なオーバークロスを渡った先の駐車場には,既に先客の車が優に50台以上停まっていて,タクシーや大型バスの姿もある。昨日の小浜とは打って変わって,もはや「古刹探訪」の雰囲気は無く,「人混み」を歩くことになりそうだ。車を駐車場の最も出口に近いスペースに頭から突っ込んで止めると,「出るとき考えて出てや」と,近くにいた誘導員。考えんでも出られるわ!と,ヨメ氏と2人して苦笑した。

開門30分後にして,拝観受付で1~2分待つほどの混雑であったが,いざ入ってみると境内のキャパシティが非常に大きく,結果として客は分散しており,一部の集中する箇所を除いては余裕があったので,ひとまず安心である。

前庭では,赤に黄色に紅葉が色付くその傍らで,不断桜が小さな花を咲かせていた。

 

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曇天なので,紅葉を背に撮影。樹齢250年の花の可憐さ。

やや上り基調の道は名勝庭園「蓬莱庭」内へと続いてゆく。赤と黄色の鮮やかな色彩の下,苔が青々と美しい。

 

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するとその近くの立て看板の「この苔は西明寺のことが大好きです」という,非常に興味深い文言が目に飛び込んできた。さながら英語の直訳であるw そして庭園の端のほうに小川が流れている場所があり,そこに立つ小さな立て看板には「谷に気をつけて下さい」の文字が。「足元に気をつけて下さい」ではないあたり,何やらいちいち心に引っ掛かる文言を書くのはある種のユーモアなのだろうか,結果としてこれらの立て看板は非常に強い印象を残した。

庭園をぐるりとめぐり終えると参道に戻る。ここから石段を数十段登ると二天門(室町末期建立の国指定重文)があり,これをくぐると,そのすぐ奥の本堂と三重塔が我々を迎えてくれた。

 

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(純和様の七間堂。2019.11.24 西明寺本堂)


本堂は鎌倉前期の純和様建築である。入母屋屋根,桧皮葺の七間堂で,昨日の小浜文化財オールスターズの中では明通寺に最も近いが,五間と七間の差は大きい。幅への意識がより強くなり,豪奢で,威圧的にすら感じる。本堂と二天門・石段の間で引きが取れるので,明通寺よりも余裕をもって正面の構図を狙えた。幸いまだそこまで人が多くはなかったので,撮影も成功。

三重塔は本堂とほぼ同じ高さ(正確には低い石垣の上)に建っている。

 

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鮮やかな紅葉と古刹の三重塔,絵のような絵である。

 

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やはり初重から三重まで平行垂木で統一されているのが好みである。

引きの姿(記事最上部の写真)を含め数パターンを撮影し,さらに塔を背景に二人で記念撮影をした後,本堂へと入る。外陣の格天井の印象が強かった。後陣には入れなかったが,それでも空間は広く,特に内陣の空間の広さと屋根の折り上がる形がインパクトを残した。

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この後,なだらかな坂を下り,駐車場を過ぎ,本堂とは逆方向に伸びる参道を少しばかり降りて,紅葉を撮影した。

 

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本堂周辺よりもこの辺りのほうが人口密度が高かった。

撮影を終え,駐車場でクルマに乗ろうとすると例の誘導員が「さっきメガネ落とさなかったか?」と訊いてきた。ミラーに引っ掛けてあるというが,我々のデミオには何もなく,「あれー?!」と驚く誘導員。何かの勘違いということだろう。ばたばたする程の車の量である。無理もない,ご苦労様である。頭から突っ込んで駐車していたがその前の車がちょうど居なくなっていたので,「考える」ことなく出庫し,西明寺を後にした。

 

湖東三山・金剛輪寺へ続く。

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