谷の街。 2021.06.07 旧奈良屋町
6月7日(月)。出張の前日,水戸の駅前を散策。まずは駅北口から徒歩数分の場所に位置する「宮下銀座」のアーケード商店街を撮影した。
宮下銀座を去り,続いてはその西側に位置する花街の跡,旧奈良屋町を歩く。
古びた飲食店が並ぶ一角。
街角の招き猫。
飲食店の道から南に下りると,緑に飲み込まれた建物がある。
まりも。扉にはアマビエが掲げられていた。
鬱蒼。
トタンと錆と蔦。
繰り返された増改築の跡。
先程の道から北西に移動するとすぐ,再び緑に飲み込まれつつある「大衆クラブ」のビルが見えた。
キャンパスワン,廃業して久しいのだろうか,
初めに東から歩いて来た,飲食店のある道に戻り,さらに西へ。急坂に建つ古い商店が絵になる。コカ・コーラの看板は,もはやノスタルジックな存在である。
花街の名残。
お好み焼き屋の跡。
小さな坂をさらに下る。
カフェー建築の跡。
みまつホテルの裏面。
そして国道50号線のビルの裏面へ。
この美しさの表現に,言葉など要らないだろう。
こんなところに裸電球。あまりにも配管の猥雑さに惹かれ過ぎて,危うく見落とすところだった。
さて,今度は西側に向け,坂を登ろうか。
窪地を望む。見えている範囲が旧奈良屋町,写真背中側の坂を登り切れば旧黒羽根町である。
細い細いビル。
下調べから漏れた路地を発見。老いた白猫が座っていた。
こちらに一瞥をくれると,「こっちにおいで」と言わんばかりの後ろ姿で,のっそのっそと歩いていった。
きっと「お馴染み」の爪とぎスペースで少し立ち止まった後,路地の向こうに消えていった。
招かれたような気がしたので,後をつけるようにして,向こう側に抜けた。
その刹那,凄まじい光景に出会ってしまった。猫が案内してくれたのは,これだったのか…!
初めは近すぎて文字が判読できなかったのだが,引いてみて初めて「SUNTOPIA」と読むことができた。
サントピアは,1970年代末に建てられたファッションビルで,2016年に解体されたようだ。この敷地は嘗て店舗(喫茶店?ジャズバー?)だったようなのだが,現在は喫茶ワシントン野外劇場となっているらしい。現在は「サントピアの解体」という前衛映像を上映しているという。
https://theatre.washingtown.jp/index.htm
この看板は,サントピアに実際に据え付けられていたもので,ここに移設してきたという訳だ。どうりで建物に対して看板のスケールが狂っている訳だ。
この看板,縦板壁の部分は「作られた歴史」ではあるのだが,文字そのものは実物であるし,なんといっても高層階に据えられていた看板なので,スケールがデカい。その威容にはただただ圧倒された。
路地の反対側には飲食店。
この路地を案内してくれた猫に感謝である。
すぐ近くには旅館「末広館」。
少しモダンな佇まいの蔵の横を抜ければ,50号線に抜ける。
これにて駅近くの散策を終了。その3からは,西に2kmほど離れた大工町の界隈を散策する。
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