控えめな丸窓。 2020.09.15 門司港
2020年９月15日（火）は，長崎出張前日の移動日。新下関で新幹線を途中下車し，新地西町の新地遊郭跡を堪能した。
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続いては，関門トンネルで海峡を越え，門司港へと向かう。既に17時を回り，さらに夕方からは雲が出て来てしまったこともあり，空がだいぶ暗くなってきた。しかし西日本の日没は東京に比べるとかなり遅く，まだ暫くは粘れそうだ。時間の許す限り街歩きを楽しもう。清滝通り沿いのコインパーキングに車を停め，嘗て馬場遊郭があった街を散策する。
早速，ただならぬ雰囲気の建物がお出迎え。凄いアールだ。
そしてトタニズム。個人的には水色×錆色が好みなのだが，ここは緑色×錆色の組合せ。３階のマスが凄い。
左手には三宜楼，中を見ることは叶わなかったが，ここが嘗て遊里であったことを現代に伝える，貴重な物件である。
三宜楼坂を下ると，老舗の中華料理店がある。
「萬龍」。立体的な装飾。
紙を見てみると，昭和22年創業という。戦後すぐに開店し，遊里の現役時代を見て来た「生き証人」の建物なのだ。店舗は2015年，すぐ近くに移転したらしい。
独特の威容を放ちながら，住宅としての機能は果たしているのだろうか。
さて，妓楼の名残のある建物はさほど多くないのだが，萬龍の向かいには少しオーラのある物件がある。
持ち送りのディテールを見てしまう。とても薄く，完全に意匠に特化している。
板の継目すらも魅力的な意匠になるのが，古い木造建築の魅力。必然的に線が多くなる。
三宜楼が見守る交差点に建つ料理屋。これも妓楼を転用したものだろうか。控えめな丸窓が，庇の陰からこちらを見ていた。
栄町銀天街に入る。
３階建が両脇に並ぶ，立派なアーケード商店街だ。
平民食堂。有楽町の「食安商店」を何故か思い出した。どちらも閉店してしまったようで，残念である。
銀天街の片側の建物が唐突に切れ，鋭角に切れ込む路地が現れる。この画角は，まるでパースそのものである。こんな路地が，面白くない訳がない。
その２へ続く。
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