梟の島

梟の島 -叙情的叙景詩-

-叙情的叙景詩-

小浜・湖東旅行(1):金夜に発ち,土曜の朝の小浜へ。

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晩秋の冷たい朝。 2019.11.23 小浜西組

 

11/22(金) 7ヶ月ぶりの非日常。東武練馬発、敦賀行き。

金曜日の東京は朝から冷たい雨,最高気温は8度。今年初めて事務所で暖房をつける,特に寒い一日であった。少し早めに仕事を終え,東武練馬から直接東京駅へと向かう。池袋からは埼京線・中央線と乗り継ぐも,どちらも遅延により大混雑。ひかり529号出発の25分前に東京駅に到着した。
夕食を調達してひかり自由席の列に早めに並ぶよう,ヨメ氏にお願いしていた作戦は成功し,5号車の列の先頭を確保できていた。車内清掃が終わり発車5分前に乗車して,車両最後部の3人掛けの窓側2席を確保した。車内は驚くほどの混みようで,デッキは満員,座席間の通路にも立つ客がぎっしりと乗ってきた。金曜日の夜だからなのか,或いはこれが毎日のことなのかは分からないが,想像をはるかに超えた混雑にただただ驚き,それと同時に通路から遠い3人掛けの奥を確保する作戦が期せずして大成功だったことを喜んだ。

1903に東京を出発し,新横浜から三島にかけて夕食の駅弁・稲荷寿司にありつく。ひかり529号は新横浜の後,三島,静岡,浜松,名古屋,岐阜羽島米原と停車。結果として,三島と静岡で多くの客が下車してゆき,車内は少しずつ落ち着きを取り戻していった。浜松あたりから眠りに落ち,岐阜羽島の手前で目が覚めただろうか。この小休憩が仕事終わりの体力回復にはとても効いた。21時36分に米原着,しらさぎ63号へと乗り継ぐ。なんと自由席が2両しかなく,案外ケチ臭いなと感じる。無事に車両最後部の座席を確保し,今宵の終着点・敦賀までは30分ほどの道程である。長浜も停車しないこの特急,2156発で2224着。下りで北陸本線のこの区間に乗るのは10年ぶりで,681・683系に乗車するのも5年ぶりだった。思った以上に安定感のある走りっぷりに,少し感心したのだった。

コンビニで翌朝の食事と水を購入し,敦賀東横インにチェックイン。ホテルの部屋は8階であるにもかかわらず室内に先客のハエが居て,これを室外に出してやるのに少々てこずったが,無事に退去してもらい,1日の疲れを癒した。


11/23(土・祝) 朝霧の小浜線

5時45分起床。レースカーテンの向こうが未だ真っ黒なうちにチェックアウトし,小浜線の一番列車924Mに乗り込む。小浜線の起点駅は敦賀なのだが,舞鶴線北陸本線との方向を揃えるために,東舞鶴に向けた列車が偶数の列車番号を持つらしい。6時半前に敦賀駅を発つ頃,空がようやく白んできた。紅葉に染まる里山を眺めながら朝食のパンと肉まんを食し,美浜を過ぎた後,しばし眠りに落ちる。

上中駅を過ぎたあたりで目覚めると,車窓は白一面,朝霧に包まれていた。小浜に近づくにつれこの濃霧は薄まってゆき,浅い角度の陽光が辺りを黄色く照らしはじめていた。737小浜着。印象的な朝である。

 

伝建地区の冷たい朝,若狭湾の暖かい朝

レンタカーは8時から借りられるのだが,これを敢えて9時に予約し,それまでの1時間強は小浜駅西側に広がる重伝建地区の街並みを散歩する。その道中でまず経由した「いづみ町商店街」は,何と殆どの店が解体工事の真っ最中で,手前の生花店鮮魚店のみが辛うじて生き残っているという状況であり,非常に残念であった。ちょうどいづみ町商店街が突き当たる,「町の駅」のある交差点で左折すると,一度大きく道幅が広がり,観光地の様相を見せる。しかしこのまま進んでゆくと1~2ブロックで雰囲気が変わり,一帯は所謂伝建地区の雰囲気を帯びてくる。若い朝陽を浴びる近代建築「高鳥歯科医院」(なんと現役)を撮影し,愛機の調子を確認する。

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淡い朝日を浴びて。 2019.11.23 小浜西組

 

その後の街並みの中は基本的に日陰となり,空の色を映した青い雰囲気。かつて遊郭・料亭が並んだ街には,現在そこまでフォトジェニックな場所がある訳ではなかったが,ところどころに遺る「本当の」伝統建築の雰囲気は良かったし,この冷たい秋の朝の雰囲気を味わいたいがゆえの計画だったので,満足である。

この街並みのすぐ北は若狭湾である。駅前のトヨタレンタカーまでの復路は,晩秋の朝日に暖かく照らされる日本海を拝む。

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若狭湾,暖かい朝。 2019.11.23 小浜・若狭湾


小さな砂浜が黄色く煌めき,湾の両側に緩やかに立つ山々は緑・黄・赤の3色を美しく呈し,何といっても日本海の青にはその独特な淡さと儚さがある。朝の散歩の間,空の雲もすっきりと抜けてくれたので,実に清々しかった。プロローグとしてはなかなか上出来である。

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